Satomi "存在のすべてを" 2024年10月4日

Satomi
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@satomiww
2024年10月4日
存在のすべてを
二児同時誘拐事件から始まり、一つのミスで人命を奪われかねない警察と被害者家族が抱く緊張感や苛立ち、焦燥に手に汗を握るが、ただの警察小説ではないところが筆者の最高傑作と称される理由だと思う。 「空白の3年」を過ごした男児に何があったのか。登場人物たちが過ごしてきた30年の人生を辿りながら、愛情とは? 絆とは? 果たして血の繋がりだけが家族なのだろうか。この物語には性別と年代、思考までもが様々な登場人物が登場するのだけれど、彼らが抱く愛情や悲哀などの複雑な感情を筆者の圧倒的な筆力で言語化されているので、読み手の感情に深みを与えてくれる気がする。 本作では写実絵画が重要な鍵となるのだが、スマートフォンで誰でも簡単に目の前の風景を切り取れるようになった時代で、「写真のような絵」を描くことにどのような意味があるのか。読了後に思わず写実絵画について調べてしまう程には興味が湧いてしまい、次のまとまった休みで写実絵画専門の美術館に行くことを決意。 自分の「存在」を考えさせられる物語だった。 来年映画化するらしくてめちゃくちゃ楽しみ!!!!!
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