DN/HP "猫の街から世界を夢見る" 2026年7月27日

DN/HP
DN/HP
@DN_HP
2026年7月27日
猫の街から世界を夢見る
猫の街から世界を夢見る
キジ・ジョンスン,
三角和代
コミカライズされた『クトゥルフの呼び声』を読み終わって、そういえばこの小説もH・P・ラヴクラフトの作品(「未知なるカダスを夢に求めて」)に着想を得つつ、現代的にリミックスした小説だった、と思い出した。 2021.7.12 「この物語は子供の頃に愛したものに立ち返り、それを大人として意味をもたせられるかどうかやってみた、大人のわたし自身である。」 子供の頃に読んだ魅力的だけれど、「人種差別」的であり女性が描かれない小説。それを「いつになったら、女は男の物語の注釈以外のものになれるのか?」と書く作家が現代的に、「正しく」リミックスする。 「夢の国」と「覚醒する世界」、それを途中からは過去と現代という風に解釈して読んでいた。過去から苦難を乗り越えて現代へと向かう「古い世代」の元旅人、それは神々といわれたもの「悪意があり、怒りっぽく、小物」の権力や因習を振り払い、新しい価値観へと向かう、自らの世界も変える旅なのかもしれない。それは同時に古い居場所を守るために「新しい世代」を連れ戻す旅でもあるのだけれど、その世代の少女は既に「もう神はいない」ことを理解して、新しい価値観をもって闘い、その世界を変える決断する。 「世界を変える人というのがいて、世界を変える人を変える人というのもいる。」後者は元旅人であり、つまりは物語の力を使ってそれをしようとする作家自身なのだと思う。そして彼女もまだ闘いをやめない。「次はどうする」。 完全にクラシックな短編、「蜜蜂の川の流れる先で」ではファンタジーの力で悲しみを優しく包むことをしていたけれど、ここではその力は背中を押すことに使われる。そういうことなのだと思う。 あと、付け加えるなら、犬が大好きだけど、そりゃ猫も可愛いですよ。ということですね。
猫の街から世界を夢見る
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved