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@74
2026年7月28日
52ヘルツのクジラたち
町田そのこ
読み終わった
@ 自宅
『…寂しさを知る人間は、寂しさを知ってるからこそ、失うことに怯えるものだから』(p25-26)
この匂いはとても厄介だ。どれだけ丁寧に洗っても、消えない。孤独の匂いは肌でも肉でもなく、心に滲みつくものなのだ。この匂いを消せたと言うひとがいたら、そのひとは豊かになったのだと思う。海にインクを垂らせば薄まって見えなくなってしまうように、心の中にある水が広く豊かに、海のようになれば、滲みついた孤独は薄まって匂わなくなる。そんなひとはとてもしあわせだと思う。だけど、いつまでも鼻腔をくすぐる匂いに倦みながら、濁った水を抱えて生きているひともいる。(p60)
52ヘルツのクジラ。世界で一番孤独だと言われているクジラ。その声は広大な海で確かに響いているのに、受け止める仲間はどこにもいない。
…
本当はたくさんの仲間がいるのに、何も届かない。何も届けられない。それはどれだけ、孤独だろう。(p84)
いまこのとき、世界中にいる52ヘルツのクジラたちに向かって。
どうか、その声が誰かに届きますように。
優しく受け止めてもらえますように。(p305)


