
Mary
@gncf_o343
2026年7月29日
いい子のあくび
高瀬隼子
読み終わった
自分が傷つけられたぶん、囚われたぶん、取られたぶん、削られたぶん、薄められたぶん。同じだけを他人にも、と思う。だっておかしい。
割に合わない。
(「いい子のあくび」 p.127)
時々いいことをしたくなるのも、悪いことをしたくなるのも、それが日々変わっていくことも、わたしは誰とも共有できないと決めつけている、けれど。(中略)人とつながったり切れたり、そうしていくしかないのだ。
(「いい子のあくび」 p.134)
他の作品も好きだが、今回もやっぱり面白い。
3編とも共感するところがたくさんあった。
これまで感じて来たモヤモヤを、物語として昇華させていることで「まあ、あくまでもフィクションだしな」と読めてしまう。
でもどこかで、私のモヤモヤが明確な怒りに変わって、行き過ぎたら主人公たちのようになってしまうのでは?というか既になってる?と恐ろしくなる。
何より、主人公側だと思っている自分も危ない気がする。
他者からしたら、自分も主人公を取り囲む、言わば配慮に欠けた人になっているのかもと怖くなる。
読み途中の段階で、普段読書をしない友人におすすめしてしまった。
その友人は、この本を読んでくれるだろうか。読んで私たちのつながりはどうなるのか。首筋が寒くなる思いだ。
