
あゆゆ
@ayuyureads
2026年7月29日
白夜行
東野圭吾
読み終わった
※『白夜行』読了後推奨
本編にはない、私の想像です。笑
『白夜行』のはじまる前に
物語を読み終えてから、
本の中で語られることは
永遠にないであろう
過去の会話。
学校帰りに行く図書館。
約束をしていたわけではない。
けれど、いつしか図書館で会うのが当たり前になっていたのかもしれない。
ともに本好きで気が合い、よく一緒に過ごしていた。
そして、唯一、亮司の前でだけ、雪穂は、本来の自分を出せていたのではないだろうか。
大阪住まいだから、関西弁。
側から見れば、仲の良い二人。
雪穂が机で本を読んでいると、亮司がおもむろに向かいの席に座る。
亮司「雪ちゃん、今日も早いなあ。」
雪穂「リョウちゃんは遅かったね。」
亮司「うん、ちょっと友達と廃ビルで遊んでた。」
雪穂「また、あんなとこ…嫌やわ。」
亮司「まあ、ええやん。
あ、今読んでる本はなんて言うん?おもろい?」
雪穂「これ?これは、『風と共に去りぬ』っていう本。
私な、この本に出てくるスカーレットみたいになりたいねん。
あんなふうに、何があっても前を向ける人。
ほんで、リョウちゃんは
私にとってのバトラーやねん。」
亮司「なに?
そのバトラーってどんな人なん?
それを知らんことには、
なんとも言えへんなあ。」
雪穂「えっと、じゃあ、
この本、読んでみてくれへん。」
亮司「ええ?せやけとど、そしたら、雪ちゃんが読めへんやん。」
雪穂「もう、全部読んであるから大丈夫。終わったら、また読むし」
亮司「そっか。じゃあ、借りるわ。」
こんなやりとりしていたのだろうか。
図書館司書が幼い頃の二人を微笑ましく見つめている、そんな場面。
こういう子供特有の
純粋で憧れに満ちた
ごっこ遊びのような約束
だったのかもしれない。
そして、亮司の前でだけ
無邪気な子供に戻れた雪穂。
あの頃の二人にとって、
それは、ただの物語への憧憬で、
お互いを特別な存在だと認め合う可愛らしい秘密だった。
そんな場面、
本編には一度も描かれてない。
そう、これは私の想像でしかないから。
だから私は、
ページを閉じたあとも、
二人が図書館で
時に静かに、
時に笑い合っていた時間
そんな場面を
何度も思い浮かべてしまう。
そして私は、
散りばめられたピースを
拾うように、
今日も、もう一度ページを
めくってしまう。







