
藤間あわい
@awai_moji
2026年7月30日
読み終わった
しかし、誰もが取り返しのつかない人生を背負った、のっぴきならない固有の存在である。(中略)でも、僕は思う。身近な他者の痛みに敏感でない人が、日常生活の機微に美しさを見出せない人が、かつての自分のような人が、本当に社会や世界のことなんか考えられるのだろうか、と。
4章が一番心に響いた。「弱くある贅沢」というタイトルから「弱さ」について語られた二篇のエッセイ丸ごとがどうしようもなく胸を打つ。自分自身が「弱い」存在であること(になってしまったこと)にずっと引け目を感じていたが、「弱い」からこそ考えられることがあり、見えてくるものもあるのだろうと読後心から思えたのが良かった。弱さを否定せず、弱いまま世界に存在し日々をつぶさに見つめ続ける著者のおかげで、「弱い」ことは悪いことではないと憑き物が落ちたようにそう思えたのは、とても大きな収穫だ。


