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藤間あわい
藤間あわい
藤間あわい
@awai_moji
Twitter:@awai_moji 短歌を詠み、小説を書いています。持病の影響でたくさんは読めませんが、ずっと読書が好きです。
  • 2026年1月31日
    ババヤガの夜 (河出文庫)
    「読ませる」小説に久々に出会った。 最近は持病の影響もあり少しずつ小説を読むことが多かったのだが、読み始めから惹き込まれて、気がついたらノンストップで読み進めて、いつのまにか読み終わっていた。今の世界で「女」として生きる息苦しさを血まみれの拳で「シッ」と打ち破ってくれるような、痛快という言葉がぴったりの作品だった。
  • 2026年1月29日
    イン・ザ・メガチャーチ
    私にとって、小説はいつだって違う世界に連れ出してくれる優しい案内人だった。 でも、この小説を読んだとき、初めて「恐怖」を覚えた。そして一度ページを閉じた。そしてしばらく読むことができずにいた。ああ、なんて生々しくて、おぞましいのだろうと。 私は武藤澄香の最初の章でまるで私がそこにいるような感覚を覚え、震えた。体重を気にする私、パーソナルカラーや骨格診断といった診断に基づいて服やコスメを判断する私、悲惨なニュースを眺めては落ち込みインターネットの署名くらいしかできない私。どうして作られた物語なのに等身大の私がそこにいるのだろうと驚きを超えて恐怖を抱いた。 けれども読み進めていくうちに、恐怖は少しずつ薄れていった。この物語はファンダム経済の構造や功罪を描きながらも、大切なメッセージを発信してくれているように感じたからだ。 自分の信じる物語を選び取ること、その物語は私たちの生活を破滅させるかもしれないと同時に、私たちを救うかもしれないこと。そして物語を信じるのに遅いということはないということ。 結末は決してハッピーエンドとは言えないかもしれないけれど、自分たちで物語を選び取った主人公たちの姿は眩しく見えた。自分を使い切って何かに熱中する人たちの姿は、確かに眩しかった。そう思った。
  • 2026年1月24日
    メダリスト(14)
    メダリスト(14)
    いのりさんの身長が146cmに伸びたというところで、いのりさんが「子供」であることを実感して、「ああ、こんなにも厳しい世界で戦ってきた彼女はまだ子供なんだ」とこれまでの道程を思って涙がこぼれそうになった。そして、その後の滑走の力強さと懸ける思いの強さに心を打たれた。いのりさんの煌めきはいっとうまばゆくて、その唯一無二の光にいつも目を細めている。氷の上という冷たさを忘れるほど輝くいのりさんの温かい笑顔が、大好きだ。
  • 2026年1月18日
    笑っちゃうほど遠くって、光っちゃうほど近かった
    ゲーム機の指紋の線が 眼鏡についた涙の痕が 生きてるよの光です 初谷むいさんの紡ぐ短歌から滲む子供のような純真さが好きだなと思う。月から地球に来た子は少し変わった感性を持ちながらもいつだって自然体で、時に戸惑いながらもピュアに生きている感じがすごく好きだった。読んでいる間ふわふわと浮かんでいる感じがして、それが不思議で、けれども心地よかった。
  • 2026年1月15日
    常設展示室
    常設展示室
    私にしては珍しく、数ヶ月にわたって読んでいた本だった。それが世界の常設展をゆっくり回っているような、そんな心地にさせてくれた。特に心を揺さぶられた話は最初の「群青」と最後の「道」。鮮やかな青で始まり、しみじみとした翠で終わる素敵な短編集だった。
  • 2026年1月4日
    恋のすべて
    恋のすべて
    えごの花白くからだに降り積もる平らなところから順番に 私の読みではきっとこれはキスマークのことだと思うのだが、こんなにも鮮やかにそれでいて慎ましくキスマークのことを表現できるなんて……!といたく感動した。この歌が含まれるKISSの章が一番好きだ。染野さんとくどうさん、同じテーマを詠みながらそれぞれのアプローチが異なりつつも、歌から感じ取れる温度は似通っていて拝読していてとても心地よかった。
  • 2025年12月15日
    音楽
    音楽
    なにやつ、とあなたがふるう一太刀の葱にやられる秋の夜長に 心に残った歌がありすぎてお気に入りの一首を引くのにこれほどまでに悩んだ歌集は初めてだった。帯の「わずかにでも感情を動かした時間と光景」がこの歌集の全てを表しているように思う。岡野大嗣さんの日常のささやかなことまで具に見て掬い上げたものを一つ一つ慈しみ、その柔い優しさのまま紡がれた歌たちがすこぶる心地よく、体と心に馴染んだ。あと、これまで私が読んできた歌集の中で犬が好きな人におすすめしたいNO.1の歌集は間違いなくこれだ。
    音楽
  • 2025年11月22日
    ゆびさきと恋々(13)
    ゆびさきと恋々に登場する人たちは、いつもまっすぐ誠実に相手に向かい合おうとしていて、それがすごく眩しい。なあなあにすることも誤魔化すことも容易いのに、相手が心底大切で好きだからこそ彼ら彼女らは痛いほどまっすぐに相手に向き合おうとする。その心と心のきらめきを星のように眺めていたくなる、そんな素敵な物語だと思う。
  • 2025年10月25日
    西の魔女が死んだ(新潮文庫)
    「その時々で決めたらどうですか。自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中で咲かない。シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」 ずっと読んでみたいと思っていた作品だった。日々惑い、苦しむことへの解決策やはっきりと答えを示してくれたわけではないけれど、確実に光の方へと手を取って導いてくれるような、そんな作品だった。自分のことは自分で決めることの大切さを忘れずに、私も日々魔女修行に取り組んでみようと思えた。
  • 2025年10月24日
    ギンガムチェックと塩漬けライム
    こんなにも心踊る読書体験は久しぶりだった。 海外文学の世界へと私の手をとって誘い、隣で物語を笑顔で読み聞かせてくれているような、そんなわくわくした心地を味わった。 海外文学の名作のストーリーを追いつつ、翻訳家としての新たな視点で紡がれる解説たちはあっと驚くものが多くて読んでいて非常に楽しかったし、一つ一つの作品に大きな興味が湧いた。 私を素晴らしい世界へ誘ってくれたこの本に、心からの感謝を伝えたい。
  • 2025年10月19日
    すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)
    私にしては珍しく、少しずつ読み進めた物語だった。 読み終わるのが惜しく、ずっとこの世界に浸っていたいと思うのは久しぶりで、じんわりと沁み渡るような言葉たちが心地よく、そして愛おしかった。 曖昧で、不確かで、でも確かにあった愛が泣きたくなるほど不器用で美しかった。恋愛という言葉だけでくくるのはおしい、愛の物語だった。 ふと目が覚めて、導かれるように真夜中にこの物語を読み終えることができたことをとても嬉しく思う。
  • 2025年10月9日
    落雷と祝福
    落雷と祝福
    ワンルーム・デイズ だめでもすさんでも見ていなくてもしゃんといる花 「好き」という感情を、真っ直ぐ、そして飾らず伝えられる岡本真帆さんの素晴らしい技量、一本芯の通った勇気に感嘆したし、大好きだなあと思った。特に「THE FIRST SLAM DUNK」の章に心惹かれた。岡本真帆さんの感じたあふれんばかりの眩さが、文字を通してこちらまで伝わってきて、章を読み終えた後はじんわりとした心地になった。 嫌いなことを発信したほうが注目を浴びられるこの社会で、好きなことをひたむきに発信する岡本真帆さんの眩しさを、私は心から尊敬している。
  • 2025年9月17日
    スモールワールズ (講談社文庫)
    一筋縄ではいかない物語たちが詰まった本だった。人生を単なる物語として消費させない、ただ「良い話」「可哀想な話」で終わらせない、そんな意志を感じた。不思議で、初めての読後感だった。
  • 2025年9月4日
    死のやわらかい
    死のやわらかい
    生きるのがまぶしいみたいに頬張ってメロンパンって春の季語かよ 「死」というテーマを取り扱いながらも、その語り口はどこか明るく感じられる。斬新な視点と死を具に見つめる鳥さんの瞼さんのまなざしが好きだなと思った。好きな短歌集がまたひとつ増えた。
  • 2025年9月3日
    短歌の詰め合わせ
    短歌の詰め合わせ
    短歌を詠みながらも、恥ずかしながら短歌の歴史やなりたちには疎かったため、この本で学ぶことができて良かった。東直子さんの柔らかな視点で紹介される短歌たちはどれも優しい色をしていて、読んでいて心がほっと落ち着いた。
  • 2025年8月28日
    老人ホームで死ぬほどモテたい
    今まで読んできた短歌集はどこか浮世離れした雰囲気のものが多かったけれど、この短歌集は生々しく生活が、人生が描かれていてそれが新鮮で読んでいて楽しかった。創作としての短歌ではなく、生きるのに必要なものとして生まれた生活に根ざした短歌も素敵だなと思った。
  • 2025年8月26日
    カフネ
    カフネ
    他人のことを100%理解できることはない。それでも理解したいと手を伸ばし、傍らにいることを選ぶことを、私は愛だと思うしその仕草がカフネなんだと思った。
  • 2025年8月18日
    つい他人と比べてしまうあなたが嫉妬心とうまく付き合う本
    noteである方がおすすめしているのを見て購入した。嫉妬に飲み込まれそうなたびにこの本を読んでは少し落ち着いている。この本に記されているワークはきっととても効果的なのだろうが、今の私ではワークに取りくむことすら嫌悪感があってなかなか前に進めていない。自分軸を確立し、他人の評価を素直に受け取ること、簡単なようですごく難しいなと思う。
  • 2025年8月11日
    傷を愛せるか 増補新版
    初めての感覚だった。これはまさに今の自分に「必要」な文章だと感じるのは。 お医者さんというと、社会的地位の高いなんでもできるスペシャリストのように感じる。けれども、決してなんでもできるわけではなく、そこには葛藤や戸惑い、無力感がある。そんなあたりまえと思えるようなことを、この本はしみじみと語ってくれる。 この本を読んでいると、今は傷を愛せずどこか見ないふりをしてしまう私も、いつか傷を愛し傷と共に生きることができるような、そんな気がした。
  • 2025年8月11日
    ブレス(7)
    ブレス(7)
    園山ゆきの先生の『ブレス』が、好きだ。 Twitterで初めてこの話を拝読した時、絵の放つ凄まじいエネルギーに圧倒された。白黒の中でこんなにも光を放つ絵を見たのは、初めてだった。 そして『ブレス』が素晴らしいのは絵柄だけでなく、言葉もだ。一つ一つの言葉が丁寧に、大切に紡がれていていつも勇気をもらえる。いつも読後は感動で泣いている。いっとう大切なことを『ブレス』は教えてくれる。 今回のお話も素晴らしく素敵で、続きがとても楽しみになった。焦がれるほどに眩い物語の行く末を、今はただ心から楽しみにしている。
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