
taisho
@y_general_d
2026年7月30日

信仰
村田沙耶香
読んでる
「私は、「多様性」という言葉をまだ口にしたことがほとんどない。たぶん、その言葉の本当の意味を自分はわかっていないと感じているからだと思う。その言葉を使って、気持ちよくなるのが怖いのだと思う。」
「「村田さん、今はずいぶん普通だけれど、テレビに出たらちゃんとクレージーにできますか?」 深夜の番組の打ち合わせでプロデューサーさんにそう言われたとき、あ、やっぱり、これは安全な場所から異物をキャラクター化して安心するという形の、受容に見せかけたラベリングであり、排除なのだ、と気が付いた。そして、自分がそれを多様性と勘違いをして広めたことにも。」
「どうか、もっと私がついていけないくらい、私があまりの気持ち悪さに吐き気を催すくらい、世界の多様化が進んでいきますように。今、私はそう願っている。何度も嘔吐を繰り返し、考え続け、自分を裁き続けることができますように。「多様性」とは、私にとって、そんな祈りを含んだ言葉になっている。」
短編『気持ちよさという罪』からは、村田沙耶香の小説の根底にある信念のようなものが読み取れるように思う。
