
ユメ
@yume_bookworm
2026年7月20日
優等生は探偵に向かない
ホリー・ジャクソン,
服部京子
読み終わった
感想
前作『自由研究には向かない殺人』に引き続き、夢中になって読みふけった。シリーズ物の続編というと、単に登場人物と舞台が共通しているのに留まる場合も少なくないが、この『優等生は探偵に向かない』では、前作でピップが解き明かした事件の真相がストーリー展開のひとつの鍵となっている。その構成の見事さに唸らされた。
今作では、ピップの友人であるコナーの兄ジェイミーが失踪し、ピップはコナーから調査を依頼される。前作の事件の顚末で消耗していたピップはいちど断るものの、警察がろくに捜索をしてくれないことから引き受けた。ホーキンス警部補に対する、「こういうことをまたわたしにやらせないでください。お願いだから。もう一度やるなんて無理なんです」という懇願に胸を締めつけられる。
ポッドキャストやインスタグラム、フェイスブックといったSNSの分析に加え、フィットビットまで駆使した現代ならではの調査で推理を進めてゆく巧みな展開は変わらず面白く、徐々に明らかになってゆく事件の陰鬱さとはうらはらに、ピップとラヴィのコンビによる青春小説としての爽快さもあるので、ページを捲る手が止まらない。
スタンリーの件では、子は親を選べないということを痛切に思わされて辛くなった。遺族が彼を許せないのは分かるが、事件当時のスタンリーは齢わずか10歳で父親に支配されており、きちんと法の裁きも受けている。そんな彼がひっそりと埋葬されることを、赤の他人であるリトル・キルトンの住人たちが妨害しようとするシーンは、読んでいてやるせない。


