Shiori "傷を愛せるか 増補新版" 2025年5月3日

Shiori
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@schwarzkatzes
2025年5月3日
傷を愛せるか 増補新版
Shiori
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傷を愛せるか 宮地尚子 【読書感想文】vol.1 傷を愛せるか 宮地尚子 「この経験があったから今がある」 「あの苦労は必要だった」 そんなふうに美化することで、傷は癒やされるように思える。 でも本当は、そんな簡単なことではない。 傷は醜い。誰にも見せたくない。 傷を外に表現しなければいけなくなった時、その醜さを覆い隠せる、美化された言葉が必要なのだと思う。 では本当に、辛い経験はあってよかったのか。 そんなことはないと思う。できれば楽しく生きていたい。 苦しい思いなんてしなくたって生きていける。 でも、避けようがなくついてしまった傷たちが、誰の中にもある。 そしてそれと、一緒に生きていかなければいけない。 傷を愛せるか。 その醜さが、醜いままであることを受け入れるか。 美化しないことは、それによる傷つきを承知でいることでもある。 この本は開かれている。 あり方は差し出すが、受け取ることを強制しない優しさを持っている。 愛せても、愛せなくてもいい。 ただ私は、あなたの幸せを祈っているよ。と、静かに伝えてくれる。
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