
イツキ
@maruitsuki
2026年8月1日
「好き」を言語化する技術
三宅香帆
読み終わった
タイトルからは、感想やレビューをうまく書くための文章術を想像した。しかし、読み終えてみると、本書の中心にあったのは、他人の言葉との距離の取り方だった。
なかでも「言葉は伝染する」という表現には、強い怖さと納得感があった。SNSなどで繰り返し目にする評価は、知らないうちに自分の感情へ入り込む。その影響を完全に避けることはできなくても、自分が最初に何を感じたのかを残し、他人の言葉と切り分けることはできる。
そのための最も実践的な方法が「細分化」である。「心に残った」「考えさせられた」で終わらず、「何が?」と立ち止まる。特別な語彙を探すのではなく、心が動いた一点を丁寧に見つめることが、自分の言葉をつくることにつながる。
「推し」という語り口には少し距離を感じたが、内容は推し活に限らず、読書感想文、レビュー、音楽や映画の記録にも応用できる。
文章をうまく見せるためだけでなく、自分の感情の輪郭を確かめ、守るために役立つ一冊だと思った。

