
彼らは読みつづけた
@findareading
2026年8月1日

配達あかずきん
大崎梢
読み終わった
*本の中の読書*
《「杏子さんみたいですね」
さらりと言われ、杏子は笑いながら片手を振った。
「私なんかてんで凡人よ」
「でも、人から借りてもう読み終わった本でも、あとからわざわざ買うことがあるじゃないですか。それもすっごく嬉しそうに。ふつうは読んじゃった本って、買いませんよ」
「良かったものは何度でも読み返したいのよ。自分の家の棚に置いておけば、好きなときに手に取れるでしょ。そう思うだけで気持ちが落ち着くの」
多絵は「充分変わっている」と言いたげだ。》
— 大崎梢著『配達あかずきん──成風堂書店事件メモ──』(2006年7月3版、東京創元社〈ミステリ・フロンティア〉)





