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2026年8月1日

怠惰の美徳 (中公文庫)
梅崎春生
「私も人なみに軍隊に行ってきてああいう非人間的な組織のなかで日本人がどんなことをやれるか、たとえばどんな不合理なことがやれるか、どんな背徳的なことがやれるかという可能性をこの眼でまざまざとながめてきた。そのことを自分の心のなかにも探ってきた。
いま連合軍の軍事裁判などにかけられている日本人の背徳不倫の行為にしても、私の持っているものと全然異質のものではなく、私のものの延長線上にあることを私は感じるのだ。(…) その点において、私は自分に絶望している。絶望した形で自分の人性を信じているといってよい。」
——「人間回復」
「敗戦」を経験した(それはつまり戦争を生き延びたということだ)世代の作家、安岡章太郎や小島信夫、それに田中小実昌などの作家に感じている諦念、あるいはそれを抱えた上での人生は、ここで書かれている「絶望した形で自分の人性をじている」ところからきているといってもよい、ような気もしないでもない。








