
イツキ
@maruitsuki
2026年8月2日
汝、星のごとく
凪良ゆう
読み終わった
『汝、星のごとく』は、とんでもなく重たい物語だった。親から背負わされる荷物、経済的な不自由、恋人への依存、創作による救いと消耗、そして大切な人との別れ。登場人物たちは次々と苦しい状況に置かれ、その苦しさが解決したと思えば、また別の形になって現れる。それでも読む手が止まらなかった。登場人物たちが何度間違えても、苦しみながら自分の人生を選ぼうとする姿から目を離せなかったからだ。
この作品に登場する人々は、多くが間違いを犯している。瞳子は暁海の家庭を壊した一方で、暁海に自立への道を示した。北原先生は暁海を何度も救った一方で、過去には簡単に正当化できない行為をしている。親たちも弱さを抱え、その弱さのために子どもへ余計な荷物を背負わせてしまう。この物語では、傷つけた人と傷つけられた人、善人と悪人がきれいに分けられていない。間違いは間違いとして残るが、一つの過ちだけでその人のすべてが否定されることもない。その描き方が、とても人間らしいと感じた。
正しく生きれば幸せになれるという物語ではない。人は弱く、迷い、何度も間違える。それでも、誰かに許されるのを待つのではなく、自分が何を大切にし、どの道を選ぶのかを決めなくてはならない。間違えないことよりも、自分で選び、その選択を引き受けて生きること。その覚悟こそが、自分の人生を生きるということなのかもしれない。






