数奇 "消滅世界" 2026年7月28日

数奇
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@suuqi
2026年7月28日
消滅世界
消滅世界
村田沙耶香
子供は人工授精して作るもの、夫婦間の性行為は近親相姦と見なされるようになった世界で、恋愛やセックスというものがどんどん消えていく。その中で恋や性欲のありかを探す物語としてとても面白く読んでいたのだけれど、第三章から詳しく描かれる「楽園システム」という設定が急に飛躍した感じがあり、終盤を楽しむことができなかった。第二章までは価値観が少しずつ変わり始めている「途中」の描き方がうまくて、特殊設定の中に様々な価値観の人が出てくるリアルさが素晴らしかっただけに、最後は普通のディストピア小説になってしまったように感じた。しかし「第三章を読むと第二章までの世界観を普通に受け入れてしまう構造になっている」という人の感想を聞いて、確かにこの対比構造は面白いなと目から鱗だった。第三章を極端に飛躍させるからこそ、第二章まででも十分に違和感があった世界が許容できてしまう。人によって様々な感想がありそうな、良い作品だった。
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