鈍獣 "ローベルト・ヴァルザーとの散..." 2026年8月3日

ローベルト・ヴァルザーとの散策
ローベルト・ヴァルザーとの散策
レト・ゾルク,
カール・ゼーリヒ,
ペーター・ウッツ,
ルカス・グローア,
新本史斉
もっと偏屈爺さんかと思ってたのに! だいぶ序盤なのに既にヴァルザーが可愛いのだが “ ヴィルに到着。中庭亭で食事をする、ひどく空腹だったので、さらに食堂をはしごする。全部で五軒。ローベルトが、三時半の早い列車でゴーサウに帰るのはやめにしようと提案してくる。もう二時間あとにしようと。今日はできるだけ長くいっしょにいたい気分なのだ。いまやくりかえし彼は眼を覗きこんでくる。当初押し出していた、取りつくしまのない冷淡な態度は、無言の信頼あふれる態度に席をゆずった。彼のヘリザウ行きの列車は、私の列車の二分後に出発だった。私の列車が動き出そうとする瞬間、彼はひどく真面目に二度深く頭を下げた。城の召使いの「ムッシュー・ロベール」が、念頭に浮かんだのだろうか? 私も二度頭を下げて呼びかけた、「今度はドイツへ!」、すると彼は元気よく頷いて帽子を振った。”
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