
雨
@little_rain
2026年8月3日
灯台へ
ヴァージニア・ウルフ,
鴻巣友季子
読み終わった
ある夏の別荘の思い出。
おせっかいおばさんと、すぐヘソを曲げるその夫と、8人の子供たち、別荘に招待されたクセの強い周辺の人々の内面がひたすら綴られる。
こう書くと殺人事件でも起こらない限りどう考えても面白く無いのだが、差し挟まれるスカイ島の自然や古びた別荘の巧みな描写に誘われて読み進めてしまう。
灯台の光が、海を、ベッドの上を撫でていく、ただそれだけで。
読了してまず思ったのは、内心あるいは表立ってバカにしている女という生き物に認められたくて、慰められたくて仕方ない男の姿に見覚えがあり過ぎることだ。
バカにしている相手に認められて何が嬉しいのか、ご立派なお考えをお持ちの殿方同士で大いに讃え合えばよいではないか。
瑣末なことで揺らぐ父親の機嫌に場を支配されることを憎む子どもの内心、遠回しにあの手この手で同情を引き出そうとする男の惨めさ、ご機嫌取りの圧力に屈して嘘笑いをする女、強靭な意思で何も与えない女。
前時代の遺物と言うには、まだ早そうだ。
この本を読む随分前に、自分が書き付けたメモを思い出した。
家父長制のカビ臭いお座布に寝かせられた大きな赤ちゃんとして顔色を伺われてご機嫌取りされ続ける人生って、誰も本音で話してくれないし、尊敬なんてされてなくて、個人として全く尊重されてないと思うのだけど、それで虚しくならないのだろうか。
私は「扱われてる」と感じた時点で不愉快だけど。
