
トラ
@Toreads1234
2026年8月4日
テロリストのパラソル
藤原伊織
賞金稼ぎ的な作品の出自にひかれて読んでみたけど、滅茶苦茶おもしろい。まず文章にひっかかりがないから、話の中心にフォーカスしながら読める。その上で、この時代の「かっこいい」を表しているんだろうなと感じる。
主人公が新宿中央公園でテロを目撃して、そこから被害者との繋がり、加害者の探索。全共闘の同士だった優子と桑野が巻き込まれてる。ヤクザ、ホームレス、警察、巨大企業、活動家。大きく広がって、最後はとても小さく終わる。
時代性なのか、村上春樹に似ていると思った。
「彼女はまたアクセルを目いっぱい踏み込んだ。山崎家に到着するまで、私はシートベルトを装着することに決めた。」(p.279)
時代の変化。シートベルトをつけることに意味をもたせ、表現として幅をもたせられた時代。
「私たちは世代で生きてきたんじゃない。個人で生きてきたんだ。(後略)」(p.372)
この考えは常に忘れずに持っていたい。