
本箱
@POPUP7days
2026年8月4日
コンビニ人間
村田沙耶香
読み終わった
『地球星人』を読んで独特の読み口が気になったので同著者のものを読んでみようと手に取った一冊
●印象に残った文章
ねえ、指示をくれれば私はどうだっていいんだよ。ちゃんと的確に教えてよ。
●感想
村田沙耶香さんの作品はこの『コンビニ人間』と『地球星人』しか読んだことがないが、どちらも生々しさが際立つ。
星新一にも似た無機質なテンポ感で、他に対する情緒的な要求があまり出てこない。生存の危機を刺激された時だけ暴れている。
ある意味生きるということに愚直で、ただしそこに『活き活きとして』とか『楽しんで』とかが乗ってこない。社会で生きるという部分が薄い。
『コンビニ人間』の主人公は、基本的な行動が入出力のみで、その入力はだいたい実利に出力される。
鳥が死んだら焼き鳥にできる、止めろと言われたら殴れば止まる。文脈が読めない…というか、外から得たものを自身に結びつけずに外にそのまま出している。
印象に残った文章として書いた台詞も、作品を読まずに目を通すと「自分を分かってくれないことへの悲鳴かな」と思ってしまうが、実際読むとそうではない。1+1の答えを聞くのと同じレベルの質問。
正しい人間があるなら、その正しい人間を入力してくれれば完璧にやる。それを、「静かにさせるならナイフをちらつかせれば静かになるのに、社会の静かにさせるって難しいんだな」とナチュラルに思考する相手が言うのだ。こわいよ。
人と違う時、大体は「そうする理由がこの人にはあるんだな」として置くが、その理由が自分がどうしたいかではなく「社会がそう言うから」とされる時、そしてそれが仕方なくとかでもない時、異物感が発生するのかもしれない。捨て身すぎて。




