
はぴ
@happy-reads
2026年8月4日
語学の天才まで1億光年
高野秀行
読み終わった
ひっじょーーーーに楽しかった、秘境RPG「魔法の杖」をめぐる語学エッセイ🤣
『イラク水滸伝』で高野さんの語りにまんまとウケて、取り寄せた『1億光年』。期待通り、というか期待以上に愉快な読書体験をいただきました🙏
語学ネタ言語ネタ大好物なもので、特にマイナー言語の話はすごく興味深かった💛
語学習得の試行錯誤、高野流メソッドを読みながら、私自身の語学スタンスを再確認できた。
そうか、私も「ウケ狙い」が最大のモチベーションだったのか。
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自分が最初から喋れなくても、相手が喋ってくれる。それを集めたり改良したりしつつ、自分の中で体系立てていく。そのやり方の確かさは私も中国語(台湾語)実感したこと。
「学校の英語では、なんと言えばいいかわからなければ失格である。授業では恥をかき、テストでは点を落とす。でも、肝心の本番では相手が答えを教えてくれるのだ。そして次回からはそれと同じシチュエーションで同じ表現を使えばいい。」
そう、モノマネ!記号として発音と意味を覚えるだけじゃなくて、どんな関係性の相手に対してどんな口調や態度でどんなふうに使うのか?使われ方と使い方を丸ごと真似する。
改めて、語学に大切なのはフィードバックだな、と思った。
使ってみて伝わらなかったりウケたり、反応を元に語彙も使い方も補強していくんだから。
そうか私の最近の語学で足りてないのはここだな。。。AIも素材も豊富に手に入るし、一人でするのは楽ちんだもんな。。。
語学は脳だけじゃなく、目と口と体全身でそのコトバに触れる(フィードバックと相互作用を得られる)体験が必要なのだ。
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にしても、高野さんの喩えの巧さよ。
フランス語の発音変化は「ゾンビのように生き返るホラーな仕組み」、文字と発音のずれは「地図と実際の道の違い」ときた。地図には最近できたバイパスやトンネルは表示されていないし、今はもう存在しない旧道が記されたまま。だから文字表記と発音は「なんでそうなんの!」がたくさんある。
人との出会いや出来事を面白おかしく語るのはもちろん、言語学的なネタまでもが彼の手にかかれば鮮やかに笑えるコンテンツになっちまうのか。
上の例えでいう「地図と実際の道の違い」が少ないスペイン語体験記もまた、キョーレツ。東南アジアにアヘン栽培に繰り出す話もキョーレツだけど、実体験として語られる中南米の「マジックリアリズム」の世界もすごく魅力的だった。
これぞガルシアマルケスだなー!!!と感動してたら、高野さんもマルケスが好きらしく、ラテンアメリカ文学もチラッと紹介されてた。
「空から翼の生えた老人が落ちてきて古代ノルウェー語を話した」物語ってのはガルシアマルケスだったよね?
200歳生きた独裁者が死んだ時彼の宮殿は牛だらけだった、とか、予知能力を持つ少女が愛のない結婚をするための小作人に虐待を続ける男を呼び寄せた、ってのはどの物語なんだろう??
ひとまずイサベル・アジェンデ『精霊の家』は図書館で取り寄せてみよう。
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語学ネタにもどって
日本人学生が英語を話せない問題を「英語力云々じゃなくて切実さ不足」ってのはぐさっとくるね。話したい内容、これはどうしても伝えたい!!がなければ、言葉が口をついて出るなんてことないわけで。
どれだけとどたどしくても。
それから語学の4要素。
①文法②発音③語彙④文字
学ぼうとする言語の全体像を、まずこの4つの切り口で捉えるのが面白い。
私の既存学習言語、偶然どれも別系統で比較できるものだったのはラッキーな巡り合わせだったな!
中国語は②が醍醐味だし、韓国語や中国語は日本語との③語彙の重なりが面白かった。①で言えば英語とも日本語とも違うペルシャ語の語順はすごく新鮮で面白かった。ペルシャ語は主語によって語尾が変わるけど、タガログは語順からして主語がお尻に回されている。
中国語は④文字がわかるメリットはものすごくデカかったけど、ハングルやアラビア文字を学ぶのはすごく楽しかった。台湾中国語の表音文字も好き。
そしてそして、文字なき言語よ。
台湾語も中国語だったりアルファベットだったりで表記されているけど、あくまでも文字は後付けなんだな。
標準語、文字化された共通語についても考えさせられることが多かった。
「真に恐ろしいのは「文字」だった。もしこれがただの話し言葉なら、これほど厳しく訂正する必要はない。通じればいいのだから。でも、今は文字の読み方を教えている。すると、正しく教えざるを得ない。標準語は文字に支えられており、文字の力で他の言葉を迫害するのだと痛感する。」
力の大きなマジョリティ言語の影響力、と言えば外来語だけど、語学のファーストステップである「挨拶」や、基本単語には必ず入っている「友だち」って言葉も外部からの影響で生まれた言葉なんだってことにはびっくりした。
「世界を制圧したインド・ヨーロッパ語族のヨーロッパ系言語に挨拶後・儀礼語が充実しているのはある意味、当然だ。現代のたいていの言語では「こんにちは」「ありがとう」「ごめんなさい」と言った挨拶語や儀礼語とでもいうべき言葉が作られているし、だんだん普及してきている。」
コトバによってあるものを存在たらしめること、存在の輪郭を与えることについても考えたいことは色々あるけど、そもそも文字化されることを逃れてきた言語でもある、手話についても思い馳せたよ🤟
音声言語とはまた違う言語体系だけど。






