
swimmy
@lilyswimmy
2026年8月4日
大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした
クルベウ,
藤田麗子
読み終わった
ベストセラー本。帯には「『共感しかない!』とSNSで超話題」と書かれている。
この二つの事実だけで、以前の私なら絶対に手に取ることはなかっただろうが、Readsで見かけるとなんとなく気になってしまい、少し前に手に入れたのだった。私生活がバタついてページを開いたものの長らく放置していたが今日一気に読んだ。
この本は、単なる流行り本でも自己啓発本でもない。著者に説教をされるわけでも、どう振る舞うべきかを教えられるわけでも、過度に肯定されるわけでもない。
著者だけでなく、著者が伝え聞いた「色々な人たち」の話が淡々と綴られている。
まるで自分を含めた何人かの人々が車座になって座り、一人ずつが順々に話す言葉に耳を傾けているかのようなイメージだ。一人ひとりの話にはそれぞれの違った人生と考え方があり、だから、本として伝えたいことの一貫性はない。
ただ、「色んな人が居るなあ」とその人の話に耳を傾ける。頷けるところもあれば、首を傾げるところもある。色んな人の話をただただ聴くという時間は、「大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをして」いるひとにとって、とても大切なことだ。この本を手に取る人は、もれなく「大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした」人だろう。
車座の中心には、福田利之氏の絵本のようなイラストが暖かく存在している。キャンドルライトか、はたまた囲炉裏かの如く。
優しく温かい絵と、色んな人の色んな人生、色んな考え方、色んな教え。読者は黙ってそれを聴いている。
『共感しかない!』は言いすぎであるが、それなりに共感をしたり、反対にしなかったりして、ゆっくりと本を閉じる。
読む前とは、明らかに違う空気を吸って吐く。
車座に座っている私は、次は自分自身の物語を話し始めるだろう。