あずき(小豆書房) "首里の馬" 2026年8月5日

首里の馬
首里の馬
高山羽根子
めちゃくちゃ良かった。 これは小さき者たちの話だ。小さいけれど、小さいことを分かってもらおうとか、ケアしてもらおうとか、自分たちにも何かできることがあるんだとか、そういったアクションとも距離をとり、声なき声と世界のあらゆる知識をひろい集めながら、それを強さに変えて生きる人たちの誇り。理解されなくてもいい、むしろ自分たちが理解されないような世の中の方がいい。爆弾も台風も悲しい出来事も、やってこない方がいい。 解説の中に引用されていた、小川洋子さんの選評にとても共感した。 "壮大な小説だ。人間が生きている痕跡を選別せず、平等に尊ぶ意味を問い掛けてくる" 現実世界で、地域の歴史や生活の記録を残そうという取り組みを見ると、残すものと残さないものを選別できない私は胸が苦しくなる。主人公は選別せずに残すことを選ぶ。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved