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あずき(小豆書房)
あずき(小豆書房)
あずき(小豆書房)
@azukishobo
山に囲まれた福井県池田町にてひっそりと本屋&カフェをやっています。いつも数冊を同時並行で読む。
  • 2026年9月29日
    食べるたのしみ
    大阪の人、田辺聖子さんらしい気取らない文章が良い。ごはん、晩酌、おやつ、外食、食べることのエッセイ集。長生きされたお祖母さまのお話もたくさんあって、昔の暮らしぶり、町並み、人情、煮物の湯気まで立ち上る。 美味しいものを食べたい、とは誰しも考えるものだが、この人は「美味しく食べたい」と考える。それがたのしい。 好き勝手言いながら食べる人に、「こちらの気も知らないで」と心の中で毒づくのも小気味良い。
  • 2026年9月28日
    「美味しい」とは何か
    料理の本というより「感じ方」を分析する本。人が「美味しい」と評価するとき、どのような仕組みでそう判定しているのか。評価を下す基準をとことん考えるのが「美学」という学問領域。料理の本というわけではないけど、料理を作る人、提供する人にはとても勉強になる本だと思う。ひいては、あらゆる芸術やパフォーマンスにもつながる考え方だと思う。どう表現すると、どう受け入れられるのか。「センス」と呼ばれるものを粘り強く徹底分析する。面白い。
  • 2026年9月26日
    「産業」としての工芸
    「産業」としての工芸
    「美術としての工芸」ではなく「産業としての工芸」、つまりビジネスの観点からまとめられた一冊。明治以降の近代工芸史、2000年代以降の流れはより詳しく、そして今後の展開も数字やデータをまじえて客観的に論じられている。ここ福井県は鯖江市のHacoaさん、丹南エリアのrenewとその運営のSOEさんも事例として詳しく紹介されている。 工芸の産地は今どのような位置にいるのか(現在地)、そして次に何を目指すのか。議論の足場づくりの参考となる一冊に、これを挙げたい。一見分厚いけれど、無駄なところがなくしっかりとまとまっており、このお値段はお得。
  • 2026年9月22日
    刑務所の文章教室ーー言葉が心をほどくとき
    著者である大塚さんは、全国3か所の刑務所で受刑者たちに文章創作プログラムを実施している。そこではどのようなクラスが展開され、受刑者たちにどのような変化があるのか。 自分の気持ちを言葉にすることができていたら、罪を犯すことはなかったかもしれない。 刑務所が「懲らしめる場所」ではなく「立ち直りを支援する場所」へと変わることが、再犯防止のために求められている。犯罪の背景に社会が耳を傾けるためにも、言葉を授けるサポートはとても大切だと思った。
  • 2026年9月19日
    記憶/物語 (新装版 思考のフロンティア)
    戦争や暴力の歴史は、二度とそれと同じことを繰り返さないために、平和を築くために語り継がなければならない。多くの人がそう思っているはずだが、その難しさについて深く考えさせられる。 記憶の共有もまた当事者にとっては暴力となったり、小説や映画などによる物語化がナショナルな欲望と結びつきやすかったりする危うさについて、さまざまな事例をもとに問いかけられる。文体は易しいが、骨太な問題提起がなされている。
  • 2026年9月15日
    ドミノin上海
    『ドミノ』よりパワーアップ!あっぱれとしか言いようがない。動物も増えてさらに面白い。ただただ読むのが楽しくてしょうがない。中盤から後半は止まらない。『ドミノ』を読んだらこちらも読むべし。
  • 2026年9月14日
    隅から隅まで外国語
    これはあれだ、全然別ジャンルだけどエプロンメモの語学版って感じだ!笑 語学や海外経験などについてのエッセイが111編も入っているのだけど、どれもクスッと笑えるおもしろさ。英語ブームだ、正確に言うと英会話ブームだ、とか、語学は努力した分しか返ってこない、とか。ところどころにチクッと辛口が混ざるのも軽妙で良い。
  • 2026年9月14日
    山下澄人エッセイ集 猫が動く、何かはじまる
    作家、劇作家、演出家、俳優、劇団FICTIONを主宰し、芥川賞作家でもある山下澄人氏のエッセイ集。タイトルからして、かなり直感的だと思う。直感的なんだけど自分を客観的に見ていたりして不思議な文章だ。絵も詩も音楽も、みんな知ってはいるのに「できない」「あぁいうのは才能がないと」「時間がないと」というのは謎の鍵がかかっているからだ。どこかで誰かにかけられた。笑われた、その程度ならやれる人はたくさんいる、等々。鍵が外れてやってみれば楽しくない人はいないという。表現とは何か、と頭で考える前に直感でつかめ。猫に話しかけるのだ。
  • 2026年9月13日
    京大的教養「正しさは伝わらない、楽しさはうつる」
    かつて関西には「イカ京」なる言葉があった(今もあるかも)。「いかにも京大生」の略で、勉強熱心でファッションに無頓着な学生を揶揄しつつも、京大生のユニークさを愛をもって表す言葉だったように思う。実際、京大生には一貫性がなく、カオスだった。京大では教育を受けないからだ。 でも今はかつてよりクリーンらしい。マズイ。アホなことをせぇ。「こうあるべき」を取っ払え。自由を広げよ。世界は分からないからこそ面白い。 そんな「京大的教養」とは何かを伝える一冊。この窮屈な世の中を生き抜く勇気がわいてくる!
  • 2026年9月12日
    とんこつQ&A
    とんこつQ&A
    芥川賞作家の今村夏子氏。これはまだライトな方かな?と思いつつ…面白いけどーーーゾワゾワするーーーー 人間って怖い、悪意が善意をちょっと上回るだけでなんかめちゃ怖い、自分の中にもこういう部分があるのかも、と思うからか、すごいゾワゾワする。誰だって、ほんのちょっとくらいは自分の立場を守りたいと思ってしまうものだと思うから。 なんでこんなの書けるんだろう。読みやすいけど強烈だ😇でもやっぱり面白い。
  • 2026年9月10日
    ブロッコリー・レボリューション
    他で読んだことのない独特な文体で面白かった。現実に起こっているのか、語り手の妄想なのか、分からなくなるのがニクい(何を言ってるか分からないと思うが読めば分かる)。淡々と、しかしフワフワと進む不思議な読書感覚。これだから読書はやめられない。
  • 2026年9月1日
    新幹線から見えたすき家へカレーを食べに行く
    昨日に続き、スズキナオさん。 何でもないこと、無駄にすら思えることのなかに面白さを見出す天才だな、そして一人遊びの天才だな〜と思い読んでいたら、《「友達が遠くから近づいてくるとうれしい」を何度も確かめる》という章があり、なんだ、めちゃくちゃいいお友達をお持ちなんだな!とジンときた笑 たくさんのお友達とそれぞれ待ち合わせをするのかな、と思いきや、おひとりの方と何回もそれをやってた笑 《「15年間すき焼きを食べていない」という友人とすき焼きを食べに行く》も良かった。
  • 2026年8月31日
    捨てた紙、捨てられない紙
    チラシ、ショップカード、チケットの半券、パンフレット、お菓子のパッケージ。何でもない紙。 学生証、手紙、思い出の旅行やコンサート。特別な紙。 捨てよう、と思って思いとどまったもの。 何でもないものにも、少しでも意味を持たせてしまうと捨てづらくなる気持ちはすごくよく分かる。片付けが進まない理由である。 友だちの思い出話を聞きながら一緒に部屋の片付けをしているような気分になるエモーショナルなエッセイだった。年末とかにいいかも。
  • 2026年8月26日
    南極のアデリーペンギン
    南極のアデリーペンギン
    今日も暑いのでペンギン🐧生き生きと豊かな文体で綴られたペンギンたちの観察日記。 アデリーペンギンは海に入るとき、仲間内の一羽を落っことして様子を見てから、安全だと分かるとあとに続いて入る。自分以外の誰かを落とすその揉み合いが、深刻というより少し楽しそうだというようなことが書かれている笑 アデリーペンギンは勇敢なのだ、と。 いやいや、それはペンギンにしか分からんやろ、と思うけど、なんだかペンギンに対する愛おしさが伝わってくるようで微笑ましい気持ちになる。
  • 2026年8月25日
    ペンギンの世界
    日本はたくさんのペンギンを飼育するペンギン大国。日本だけでなく世界中でいろいろなキャラクターにも採用され身近な存在ですが、本来、野生のペンギンは南半球でしか見られない。 その自然界での知られざる生態、体のしくみ、なぜ飛ばないのか、人との接触。どの章から読んでも面白く、どっぷりとペンギンの世界に浸れる「ペンギン学」の決定版!🐧 明日まであまりに暑そうな天気予報なので、少しでも涼しくなれる本を🧊
  • 2026年8月23日
    曖昧な弱者の時代
    明白な弱者(マイノリティ)と、そこには入らないけれど苦しい"曖昧な弱者"。「自分たちが苦しいのはあの人たちが守られすぎているせいだ」と後者が前者に敵意を抱く。本来、異なるカテゴリの問題であるはずなのに、どちらがより可哀想かを争って足を引っ張り合っているように見える。じゃあどうしたらいいの?を考えたい。著者の答えは最後の結論に書かれているけど、読む人、今を生きる人が各自考えるべき問題だと思う。書いてあること自体は難しくないので、いろんな人に読んでみてほしい。
  • 2026年8月16日
    さがしもの
    さがしもの
    夏は昔から、暑さしのぎで小説ばかり読んでいる。 本や古本にまつわる短編集。優しいきもちになれる。本に対しても自分に対しても。 本は、読み手によって、また読むタイミングによっても、いろいろに変わる。それが伝わってくるお話ばかりだった。 音楽もそうなのだと、私の好きなピアニストの方がインタビューの中でこの本を取り上げてお話されていたそうだ。ピアニストは、こう聴いてほしい、こう感じてほしい、と思って弾くのではなく、その音楽そのものを表現する。受け手はそれをどのように感じても良いのだ。 この本も以前に一度は読んだことがあったと思うが、そのインタビューのことを知ったあとで読むとまた、違った読書体験となり、めぐる思考も変わる。再読のきっかけをありがとうございました。
  • 2026年8月12日
    文庫 豆大福と珈琲
    現在87歳片岡義男さんの10年ほど前の短編集。昭和から営業してそうな喫茶店が間違いなく似合う本。 登場人物たちのセリフがいちいちキザ、ツッコミを入れたくなるくらいキザ、女のひとがいちいち都合よく都合よい(女性蔑視というわけではない)。ウケる〜と思いながら読む。まじめに読むのでない。キザなのにカッコいいんだよな〜。豆大福は食べたくなる。鯛焼きも。おともに珈琲は言わずもがな。 昭和の終わり頃の空気ってこんなだったのかな。トレンディだな。クセになるかも。上品で洗練された昭和。z世代にもウケるのでは。
  • 2026年8月11日
    哀しい予感
    哀しい予感
    そういえばずいぶん長いこと読んでなかった、と気付きあらためて読んだ。 何回か読んだはずなのにストーリーも何もすっかり忘れていた。笑 たぶん、私は吉本ばななさんの文体がすごく好きだったので、ストーリーはさほど重要ではなかったのだ。そして吉本作品を読むと、このように文体が吉本文体になってしまう。 『哀しい予感』は吉本ばななさんの初の長編なのだそうだ。どおりで吉本ばななさんの要素がてんこ盛りだと思った。若い。読んでいた私も若い。あぁ若かったなぁ…ではなく、若返る。ロマンチックで美しくて儚くてずるくてまっすぐで世界を信じていて救いがある。
  • 2026年8月11日
    100分間で楽しむ名作小説 夜市
    ずっと「なんで?」と思いながら読んだ(野暮だ)  何も悪いことしてない子どもなのに…そりゃ好奇心で行っちゃうよね。 足を踏み入れてはいけないダークサイドってあるんだ。ある人にとっては魅惑的で抗えない。誘惑に負けて入っちゃったら、何度でも行ってしまうんだ。別にそういう教訓めいたことを伝えたいお話ではないのだろうけど。 確かにホラーよりファンタジー寄りではあるが、もし子どもの頃に読んでたらトラウマになってただろうな〜笑 世界観は『千と千尋の神隠し』に似てる。 面白かったのは、商人たちの売り文句と、2回あった衝撃の展開。 読んで、夜市に行ってみたい!って思う人と、絶対に行きたくない!って思う人がいるかもしれない。私は後者だな。笑 しかし総じて面白かった! 角川ホラー文庫版だともう一編収録されているようで、そちらも読んでみたい。
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