
勝村巌
@katsumura
2026年8月5日
卒業
東野圭吾
読み終わった
最近亡くなった東野圭吾。読んだことがなかったので、知り合いにおすすめを聞いたら、これを推薦されたので読んでみた。
どうやらこの小説の主役の加賀恭一郎というのが東野圭吾の作品群の中では大きなシリーズになっているらしかった。
昔に阿部寛主演の「新参者」というテレビドラマを見通したことがあったが、それも加賀恭一郎シリーズだったらしい。
加賀恭一郎は殺人科の刑事という設定だったと思うが、この小説はその前史にあたる内容で大学生活の仲間内の中で殺人事件が起こり、それを大学生が解き明かしていくという、青春ミステリーになっている。
昭和61年の小説なので今の感覚からすると大学生の意識がかなり異なっていることが感じられる。なんというか大学生の就職などに関する意識が、今よりも決定的に描かれている気がする。
ミステリーとしては密室殺人とカードトリックによる毒殺の2つの殺人が絡み合う形になっていて、そのトリックを解き明かす部分がミステリーなのだが、フーダニット(誰が)とハウダニット(どのように)の2点はともかくホワイダニット(なぜ)という動機部分に焦点が当てられていて、そこがドラマツルギーとなっており、青春ミステリーの魅力となっていると感じた。
謎解きの部分は本格なのだが、モラトリアムを経て社会に出ていく直前の若者の心理的な不安を恋愛や就職などと絡めてみずみずしく描いている点が読ませる内容だった。
東野圭吾作品は人間ドラマがしっかり描かれているので、ドラマ化しやすいんだろうな。
あまりミステリーは読まないタチなので、最初は少し抵抗感があったが、後半は読むのやめられなくなった。面白かったので、夏休みに他の本も読んでみようと思った。古本で探すかな。いっぱいありそう。

