
トラ
@Toreads1234
2026年8月6日
砂糖の世界史
川北稔
紅茶×砂糖は金粉寿司だった。
砂糖という、現在は1kg300円でも買える日常的な調味料。当然歴史があり、かなり理不尽さを含んで発展してきた農作物がどのように扱われてきたか。話の中心はイギリス、その周辺で何が起き、人の生活をどう変えたか。産業革命同様、世界にインパクトを与えた麻薬のようで甘い富の象徴。
酒の文化史でも出てきた記述だが、ある時期の労働(あるいは資本主義)というものが、生活にたくさんの要求をして、現在の生活様式に大きな影響が与えられた。そして今私たちが文化だと思っているものの中にも、そこで生み出された物もある。
世界史を把握していないので、細かく理解できてはいないけど、平易な文章でとても読み易く、驚きの詰まった本だった。
「1442年には、彼らはヴェルデ岬にまで到達しました。」(p.19)
脱線。W杯で話題のカーボベルデはベルデ岬の訳(ポル語?スペ語?)だと思うけど、ヴェルデ岬はアフリカ大陸のセネガルにあり、その岬の西側にある国に、その岬の名前つけるのおもしろい。
「砂糖のあるところに、奴隷あり」(p.28)
はじめは意味があまりわからなかったけど、読み進めていくと、詳細に解説され、暗い気持ちになっていく。知ることがまず大切。
「この時代のヨーロッパの職人たちは、なお、週末には飲んだくれ、月曜日は二日酔いで仕事をさぼるというようなことが、当然のように認められていました。「聖月曜日」といわれる慣習がそれです。」(p.50)
日本と同じ。
「多くの人びとが慢性的に栄養不良の状態にあった時代ですから」(p.63)
結構、衝撃的だった。
「時代的にいえば、砂糖のつぎに、つまり産業革命の時代に圧倒的な『世界商品』となった綿織物は、化学繊維の発達ですでにその地位を失ってしまったようにみえます。」(p.198)
栄枯盛衰。
日本でも徳川吉宗が国策として砂糖の栽培を広めようとしたというのも初めて知った。サトウキビ糖とビート糖のシェア遷移もおもしろい。そして化学甘味料。
ジャマイカのラム酒文化にも影があったんだな。
イギリスではコーヒーハウス、フランスではカフェ等、世界では飲食を共にする場所がハブとなって、文化や科学の発展、思想の深化などが進められた事例が多い。喫煙所、料亭、バーなど日本でもそういう場所がある。口を開く行為が関係するのか、ゴルフやスカッシュなどを考えると、本質的には目的を2つ走らせる場所ではコミュニケーションがうまくいきやすいだけという話なのか。
大小様々なものがあって、現在を形成しているけど、その中で砂糖はかなり大きなウェイトを占めると思う。


