やぎさん "通天閣" 2026年8月6日

通天閣
通天閣
西加奈子
やばい好きすぎる。人々の燻ったエネルギーがぎゅっと詰まった一冊だった。綺麗事なんて通用しない、死が頭をちらつくような漠然とした日々なのに、それでも必死に生きていく人たちの姿が眩しく、涙が出そうになった。辛いことがあったときにきっと読み返すだろうと思う。登場人物がビリケンを悪いキューピーみたいな顔と言っていたのが頭から離れない。 ビリケンさんの足の裏を、誰にも見られていないときに、そっと撫でてみた。驚くほど磨り減っている。ああ皆、嘘だと分かっていても、幸せが訪れるというその噂を、信じたいのだなぁと思った。阿呆め、そう思って、安心した。足の裏撫でただけで、幸せなんてやってくるわけないでしょう。そう思って、安心した。p217
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved