
雨
@ametrine
2026年8月6日
なにごともなく、晴天。
吉田篤弘
読み終わった
またひとつ大好きな本が増えた。
吉田篤弘さんの物語は穏やかでやさしく、寂しさや痛みに静かに寄り添ってくれるようで、とても心地が良い。
鉄道の高架下商店街に暮らす人々は一風変わったひとばかり。
寝て暮らしたいからあとはよろしくね、とアルバイトにすべてを託した古道具屋の店主むつ子。任されちゃったほうの主人公、美子。
きっぷが良く、皆の相談役な喫茶店ベーコンの姉さん。美子の友人で輸入雑貨店を営むサキ。食堂の大将、太郎とその息子の一郎&二郎。元探偵のヤエガシさん。
皆どことなく浮世離れしていて、自由を謳歌しているように見える。
でも、この高架下に辿り着くまでの間に、彼らにもいろんな物語があったんだ。
誰にでも秘めた物語はあって、一見しただけではわからない。先入観に捉われずに想像力を働かせて、ひとのことを思いやれる人になりたいと思った。
p125-126
この世には、大なり小なり、人の数だけ「じつはね」があると思った方がいいのかもしれない。
なにごともなく平穏無事な日々というものは、多くの人たちの「じつはね」で成り立っている。
この世の平穏は、多くの人たちのやせ我慢と隠し事と沈黙で出来ているのだ。