
hiroka
@hiroka
2026年8月6日
オービタル
サマンサ・ハーヴィー,
小澤身和子
読み終わった
視点が良かった。
あ、これは村上春樹の『アフターダーク』の、上からの鳥瞰的な視点と同じだな、と思う。
そして、宇宙船に乗っている彼らを描く視点と、乗組員が地球を上から見ている視点とが重なり合っている文章が素晴らしく、魅了された。
宇宙から地球を見ている彼らは、地上の出来事に対して、何もする事ができない、という事実が胸を打つ。宇宙に行くというのは偉業で未来へ繋がる仕事なのに、今まさに起こっている事には力がないのだ。ひるがえって、地上の私達は、地上の現実ともっと向き合い戦うべきなのではないだろうか。
作者は「宇宙の田園詩」を書きたかったという。劇的な事など何も起こらない宇宙船の中、乗組員の心の中、地球の姿、宇宙の広がり。何も起きない描写に、これほど胸を打たれるとは。

