紫嶋 "リセット<新装版>" 2026年8月6日

紫嶋
紫嶋
@09sjm
2026年8月6日
リセット<新装版>
三人の女性が直面する、女の生きづらさと人生の選択の物語。40代後半での「もし人生をやり直せたなら」という願いの通りに、不思議な力で高校時代へ遡った彼女らの第二の人生や、その先にある選択を描く。 旧時代的な男尊女卑や家父長制の考え方が残る家庭や田舎で育った三人は、三者三様の人生を歩みながらもそれぞれに「女ならでは」の生きづらさや理不尽を経験する。 それは後悔だらけの最初の人生だけでなく、やり直して今度こそ上手くやろうと決めたはずの第二の人生においても、違った形でやはり降りかかってくる。 作中の女性たちは、私の母親くらいの世代かなと思う。彼女らが味わった生きづらさは、私たちの世代では少し軽減されてはいても、まだまだ残っているなと感じるものも少なくない。私たちの子や孫の世代にとって、それらがもっともっと軽減されて、いつかゼロになりますようにと祈らずにはいられない。 この作品のフェアなところは、女性が直面する困難だけを描くのではなく、女性自身の愚かさもきちんと描いているところだと思う。 男尊女卑の社会の中で、あえてそれに甘んじることで楽に流される道を選んでしまったり、女性同士で相手をどこか羨みながらも、同時にナチュラルに値踏みし見下していたり。 そういった、女自身の欠点、女同士の不毛さのようなものも、大変リアルに感じる作品だった。単に同情を誘うだけの話ではない分、「女性が自ら選択し意志を持って生きること」の鮮やかさが浮かび上がってくるのかもしれない。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved