
巽
@Tatumi
2025年3月31日

花のうた
左右社編集部
読み終わった
「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が大きい/笹井宏之
好きな人が幸福である嬉しさよ全ての四季の花が香って/中村森
マーガレットとマーガレットに似た白い花をあるだけ全部ください/岡野大嗣
ずっと味方でいてよ菜の花咲くなかを味方は愛の言葉ではない/大森静佳
それはたとえば、百年育てて咲く花を信じられるかみたいな話?/初谷むい
桜舞う森でピースで立ったまま散るな笑うな 最終回かよ/上坂あゆ美
さくらさくらいつまで待っても来ぬひとと
死んだひととはおなじさ桜!/林あまり
花水木の道があれより長くても短くても愛を告げられなかった/吉川宏志
芍薬をきみにあげたい芍薬は、大きい、鮮やか、花びら、たくさん/谷川由里子
戦争が(どの戦争が?)終わつたら紫陽花を見にゆくつもりです/荻原裕幸
花を踏む 咎める人の足元はコンクリートで幸せですね/ジョージサキ
花束と約束 忘れたいことを十三月の日記にしるす/石井僚一
咲いている重みでしなるフリージア きみにはそういう星だったこと/黒井いづみ
冷たい水いくら飲んでもお前のように生きられねえよ ヒヤシンス 咲く/佐佐木定綱
好きな短歌をアンソロジーの中で見たときの、ラジオで好きな曲がかかったときみたいな気持ち


