芙蓉
@fu_rong_28
2026年8月6日
往復書簡
湊かなえ
読み終わった
久々に帰った実家の本棚から持ち出して再読。
初めて読んだのはもう随分昔のことで内容もかなり忘れてたけど、当時も一気読みしたことを思い出した。
この本は書簡形式で語られる短編集。
手紙は本来宛先の人間だけに読ませることを前提に書かれたもの。
それを赤の他人である自分が勝手に覗き読んでしまったようなドキドキ感。
最初の数ページは他愛もない他人の内輪ネタなんかが書いてあると思いきや…
p.19「この手紙の送り主は本当に悦ちゃんなの?」
何だか急に雲行きが怪しくなってくる。
小説なのは分かっているのに他人の秘密を知ってしまった罪悪感。
なのに続きが気になって頁をめくる手を止められない。
離れた場所で別々の環境で暮らす書き手たちが昔のとある出来事を追憶しながら手紙を綴る。
読み進めていくとどうやら各々の間でその出来事への認識がズレているのが見えてくる。
当時は同じ環境で同じ時を過ごしていたはずなのに。
誰かが誤解しているのか、単に各々の見え方が違っただけなのか、それとも誰かの手紙に嘘があるのか。
p.103「頭のいい人が「こうだったんじゃないか」と仮説を立てて、「それもあり得る」となったら、仮説は事実になってしまうことをわたしは初めて知った。」
p.105「でも、仮説で事実を知ったり、思い出が変わることだってあるんだよね。」
私と友人たちとのあの頃の思い出も、もしそれぞれが語ったら全く違う話になってしまうことがあるのだろうか。
今度友人たちと久々に小旅行に行く予定がある。
ちょっぴりこわくてすごく楽しみだ。