
ルシェ
@lucie0331
2026年8月6日
夜市
恒川光太郎
読み終わった
@ 自宅
読みやすい!
角川ホラー文庫から出ているが、ホラーという感じはしなくて、世にも奇妙な物語みたいだった。
不思議で儚い世界観に、ちょっぴり切ないお話。
あらすじを読んだ時、てっきり夜市の話だけかと思ったが、短編2本で編成されてて、古道のお話も切なかった。
でもやっぱり、主題の夜市は、過去に弟を売り飛ばしてしまい数年後に買い戻しに行く兄のお話、という設定がかなり面白くて惹き込まれた。
小説にありがちな、登場人物が多くて理解に時間がかかるということもなく、少人数で話の展開も早いのでどんどん先が気になって一気に読んでしまう本だった。
2本とも、見る人によってハッピーエンドかそうでないか意見が分かれそうなお話かな。
『今宵は夜市が開かれる。
夕闇の迫る空にそう告げたのは、学校蝙蝠だった。学校蝙蝠は小学校や中学校の屋根や壁の隙間に住んでいる生き物で、夜になると虫を食べに空を飛びまわるのだ。
夜市は岬の森にて開かれる。
学校蝙蝠はいった。
夜市にはすばらしい品物が並ぶことだろう。
夜市には北の風と南の風にのって、多くの商人が現れるからだ。この小説の始まりがとても綺麗で印象深い。
西の風と東の風が奇跡を運ぶだろう。
学校蝙蝠は、町をぐるりとまわりながら自分が町に告げるべきことを告げた。
今宵は夜市が開かれる。』
という始まりの文章がとても綺麗で印象深かった。