
朋@
@tomo_nemui
2026年8月7日
沈黙博物館
小川洋子(小説家)
読み終わった
画家を目指した非常勤講師の枯れるまで絞り出された絵の具、タイプライター占いをしていた老婆の意味不明な文字の羅列が印字された紙、耳を小さくする手術を行なっていた医師のメス。
どの形見にも物語はあるのだろうけど、小川さんが描く生と詩の物語の残酷で美しく静謐なことといったら。
おぞましくあるのにその機械的な冷たさと一枚皮を剥いだ舌から滲む赤が同時に存在していて、表裏一体の神秘性に酔い痴れるような。
その一方で頭の片隅にはずっと乳首を切り落とした犯人と一向に返事の来ない手紙の理由を追い求めていて、その姿形すらもあるべき所に収まる感覚。あぁ、良いものを読んだなぁ。


