服野すみ "まず牛を球とします。" 2026年8月7日

まず牛を球とします。
久しぶりに図書館で借りた本。 タイトルをどこかで見た気がする、誰かがオススメ本で出していたような…。 初めて読む作家さんだったけど、とても読みやすかった。 読後感がちょっと不思議な後味があって、短編集なのも相まって星新一を思い出した。 下記、気に入ったお話。 ・表題作 牛肉を20cmの球体で培養できるようになった世界。 主人公は培養工場の広報担当で、消費者の「四角い方が管理しやすくない?」「大豆ベースのDNAに牛を組み込んでるけど、牛要素は消せない?」(ヒンドゥー教徒より)等の質問に淡々と答えていく。 主人公が「人間はストーリーを求める生き物」とどこか冷めた目で見つつ、自分も感性が似ている同居人との快適な生活を求めていたり、地球の終わりにストーリー性を考えてみたりとやっぱり人間くさくてよかった。ゼブラのこともう少し知りたかったわね ・ルナティック・オン・ザ・ヒル 後書きより、ビートルズの「フールオンザヒル」に着想を得たお話。月面での地球人VS月人(先祖は地球人)の戦いにあたり、2人の月人の兵士は酸素ボンベが尽きそうになりながらレーザー砲を守っている。 「遠くに見える戦場が人の生死もフィクションみたい」という描写、そして「自分たちの行動も戦争もシミュレーションではないか」という仮説の後に死ぬことを選んだ2人…という最後も含めて印象にのこった。 「開戦を決めた人と、戦場にくる人が、違う人だから、じゃないかな」
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