いちのべ "名探偵の有害性" 2026年8月8日

いちのべ
いちのべ
@ichinobe3
2026年8月8日
名探偵の有害性
第四章まで読む。 インフルエンサーに「名探偵の有害性」を告発されたかつての探偵と助手が、過去の事件を検証する旅に出る……という設定がまず面白い。 数多のミステリを読み漁ってきたけれど、現実には、ひとつひとつの事件の加害者にも被害者にもその後の長い人生があるということ。「めでたしめでたし」のその後を描く物語という意味では、『葬送のフリーレン』を想起した。 最初の事件の依頼者がその後どのような活動をしていたか、二番目の事件の加害者が現在まだ服役中であること等を、名探偵も助手も知らない(気にしていない)ことに言い知れない感覚が湧き上がった。告発者の動画の発言も想起した。 > 「だからねっ、名探偵って、エッセンシャルワーカーぶってるけど実際はそうじゃないんだよね。そこがいやなの。名探偵って、むしろ狩人、ゲーマーじゃない? 生身の人間がいるのに、その人の運命を、命を、おもちゃにして、ちょっとクイズを解いてみたぐらいの気持ちで、知らない人の人生を左右して。ほっぽりだして帰っちゃうなんて、ひどすぎるよね?」(p39) 当初は「名探偵コンビ」だったはずが、芸能事務所の売り出し戦略によって、元々アムラー的ファッションのギャルだった鳴宮が「ボーイッシュなやさしい女の子助手」に押し込められてしまうのも、「平成」という時代を知る世代としてめちゃくちゃありそうで納得できて、「平成」という時代の息苦しさや気色悪さを感じられる……ので、それが若干しんどくもなって一旦読む手を止めた。 主人公たちより下の世代だが同じ中年ではあり、平成を知ってる身だからこそより一層楽しめる話だなと思う。ふたりの旅がどこへ着地するのか楽しみ。
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