名探偵の有害性

18件の記録
- みくら@mikura7272025年4月25日読み終わった法権力の埒外で事件を解決&犯人を断罪する『名探偵』が社会現象と化したifの世界線の物語。それだけでも設定としては面白いのに、この小説の舞台は1970年代の「名探偵ブーム」が遠く過ぎ去った令和!当時爆発的な人気を得た「探偵と助手」の二人は50代の、それぞれ家庭を持つ中年だが、令和の目線から「名探偵の有害性」を告発するというYouTuberに取り上げられたことをきっかけに、自分たちの過去と向き合うことに。 「名探偵」というキャッチーなフックを用いながらもこの作品のテーマは、価値観をアップデートできるか、過去の行いについて「自分は間違っていた」と客観的に受け入れることができるか。ということなんだろうなあと思う。 安易な「あの頃は良かった」ではなく、「でも、あれはやっぱりダメだった」「時代が悪かったけど自分も悪かった」と冷静に過去を分析して今の自分に繋げていけるか。 そういう意味で、かつて"時代の雰囲気"によって「おとなしくて従順な探偵助手」という役割に縛られていた主人公が、過去のパートナー(探偵)とも元夫とも離別して新たな道を進むラストは爽快感があってとても良かったです。
- 高橋|往来堂書店@frog_goes_home2025年3月10日読み終わった勢いのまま読み終えた。現在の価値観で過去を断罪することの是非。もちろん当時だってダメだったんだけど、あの頃は「みんなで」おかしかったじゃん。記録されないけれども記憶には残る、その時代の空気感。自分の過去と現在に辻褄合わせなんていらないから、ちょっとずつ進んでいこうぜ。
- 高橋|往来堂書店@frog_goes_home2025年3月9日読んでる飲みながらごんごん読み進める。今気づいたけど案外文量多めだ、トータル400ページ弱。現実をエンタメとして消化することの功罪よ。リアリティーショーの類が苦手なのはそういうことなんだよな。うん。しかしおもしろい。もうすぐ読み終わる。
- 高橋|往来堂書店@frog_goes_home2025年3月8日読み始めたちくまプリマー新書の『読まれる覚悟』が良かったので。桜庭一樹の小説、はじめてと思いきや大昔にラノベレーベルから出てたやつを一冊ぐらい読んだことがあるような気がする。どうだったか。軽妙な台詞回しでキャラが立っていてすいすい読める。たぶんこれは、非日常にかっさらわれる日常たちの話。
- ピノ子@kiri_ra_yu2025年3月8日読み終わった結構繰り返されてきたテーマ(探偵って解決以外のこと何もしないしこれ晒しだよね!的な)、ではなく(その側面も一番外に見えやすい位置には配置されてるけど)、“あの頃”あなたは何をしたのか、その隣の自分は何をしたのかと言う話だと思った、名探偵じゃなくても。 桜庭一樹の話「テーマはこれです」がありそうなんだけど、その「これです」て外側に見えてるテーマが途中で一度バラバラになってそのかけらで最終的に作られたモザイクの絵みたいなところある。
- mya@miya03072025年2月1日読み終わった現代はおののくほどのスピードで技術が発展し、環境や価値観は目まぐるしく変化していく。かつては問題なかったこと、むしろ心地よかったこと、それらはある日突然断罪される。 懐古とアップデートの話。 お話のテーマは興味を惹かれるものだったが、子どもの頃読んでいた桜庭作品と変わらずメインキャラの癖が強く、でも今回は少年少女ではなく中年だったので、おお…とやや引いてしまい、キャラには馴染めなかった。