プールに降る雨 "ペンと剣( )" 2026年8月8日

ペンと剣( )
ペンと剣( )
デーヴィッド・バーサミアン,
エドワード・W・サイード,
中野真紀子
『オリエンタリズム』を半ばまで読んだその合間に。 1987年から1994年に渡って行われた5回のインタビュー。 1993年のオスロ合意を挟んで、サイードの痛烈な批判の矛先は、イスラエル、およびアメリカ合衆国はもちろんのこと、パレスチナ知識人やPLOのアラファト議長に対しても厳しく向けられ、その歯に衣着せぬ語り口から氏の根底にある一貫した思想がうかがえる。 サイードが持っていた数々の問題意識が明解な言葉で網羅的に語られているということで、その人となり含めて、サイードとはどのような人物だったのかが把握できた気がする。 “ああ、あのイスラエル人ドライバーのことですか。僕がタクシーに乗り込むと、彼は僕が何者なのかを尋ねました。僕に見覚えがあったのかも知れません。彼は、自分はイスラエル人であると明かしました。僕は、「けっこう、僕はパレスチナ人だ」と応えました。ちょっと沈黙があって、 やおら彼は、自分は兵役を拒否したと言いました。「僕は西岸地区での軍役を拒否した。そのこともあって、今ここにいるんだ」。それから彼は、だから、俺たちの誰もかれもが悪人だというわけじゃないと言いました。イスラエル人がみな、警棒で子供たちを殴打する警官の姿にステレオタイプ化できるわけではないということを、彼は一生懸命証明しようとしました。それから彼 は、「俺たちは友人になることもできるよな?」というようなことを言いました。「そうさ、もちろんさ。きみのような人なら、友人になりたいと思うよ」と、僕は言いました。” p.95
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