和月 "ソリティアおじさんがいた頃" 2026年8月8日

和月
和月
@wanotsuki
2026年8月8日
ソリティアおじさんがいた頃
読みやすい!さくっと読めた。 主体の思考の流れを追いかける文章は、過去に読んだ芥川賞候補作品にも通ずる所があるけど、主人公の思考が割と親しみやすいというか、近しい感覚があり、最後まで楽しく読めた。 味噌屋さんの直営店で働く主人公が、あまり関わりのなかった元職員のお通夜に参列して、働かなくなった恋人との生活に区切りをつける。 主人公が決断して行動する中に、わかりやすく成長の描写が無い所が良い。 間違えた、とは思わないけど、これで良かった、と真っ直ぐに感じている訳でもない。 そのぬるっとした日常の変化と、それに何となく順応していく姿に現代らしさを感じた。 味噌チョコが美味しそうで、京都の町屋で働く姿も想像しやすく、関西弁(京都寄り)で進む会話のリズムも心地よい。表面上は雰囲気のあるお店も、古い形態の会社を母体としていて、その古さが良くも悪くも職場の人達の言動や態度に表れているのが読んでいて面白かった。
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