
Old Sport
@scott_fitzgerald
2026年8月6日
悲しみよ こんにちは
フランソワーズ・サガン,
Francoise Sagan,
河野万里子
読み終わった
⭐︎⭐︎⭐︎★
セシルは信頼できない語り手であると思う。彼女の中にはっきりとした軸や信念がないため、言っていることが二転三転する。「いやらしい考えは嫌いだ」(p132)と言っているくせにいつもシリルとのいやらしい回想をしているし、あんなにもシリルとの愛を語っておいて、最後に「この人を愛したことは一度もなかった」という。でもこれは、ティーンエイジャーを主人公に、語り手にした時には避けられない問題なのかもしれない。彼らはまだ成長段階で、考えはコロコロ変わる。例えば、『ライ麦畑でつかまえて』のホールデン・コールフィールドもその類に入るだろう。だから、精神的成長の過程にいるような彼らを語り手に据えるときには、必然的に語り手は、信頼できない語り手とみなされるのかもしれない。
あらすじ(wikiより)
18歳になるヒロインのセシルとやもめである父のレエモン、その愛人のエルザはコート・ダジュールの別荘で夏を過ごしていた。セシルは近くの別荘に滞在している大学生のシリルと恋仲になる。そんな彼らの別荘に亡き母の友人のアンヌがやってくる。アンヌは聡明で美しく、セシルもアンヌを慕う。だが、アンヌと父が再婚する気配を見せ始めると、アンヌは母親然としてセシルに勉強のことやシリルのことについて厳しく接し始める。セシルは今までの父との気楽な生活が変わってしまったり、父をアンヌに取られるのではないかという懸念に駆られ、アンヌに対して反感を抱くようになる。やがて、葛藤の末にセシルは父とアンヌの再婚を阻止する計画を思いつき、シリルと父の愛人だったエルザを巻き込んで実行に移す。アンヌは自殺とも事故とも取れる死に方をする。