ねむみん
@nemumin
2026年8月10日
無機的な恋人たち
濱野ちひろ
読み終わった
聖なるズーが大変面白かったのでこちらも。前作ほどの衝撃は受けなかったが、またしても自分の中の無意識の偏見に気づく本。
「人間性愛規範」という言葉をこの本で初めて知ったのだが、無生物愛のなかに二次元キャラクターが含まれることには正直驚いた。フィクションのキャラクターに恋愛感情を持つ人なんてインターネット上にはたくさんいるし、恋愛感情はないが性的欲求は湧くという人ならもっとありふれているだろう。自分も対人性愛中心主義者から見ると異端なのかも、と思いながら読むことで、前作よりは今作のメインである「ドールの夫」が自分に近い存在に感じられた。
ただ、やはり、無機物は利己的な愛情や性欲をぶつける対象だ、という先入観が完全に消えることはなかった。ドールと関係を築く様々な人が登場したが、全てを素敵な関係だと思えたわけではない。たとえ無機物との恋愛が一方通行だとしても、たとえ無機物には自己の投影を行うため広義の自己愛にあたるとしても、相手を尊重して思い遣る態度のある人が好きだ。そういう意味で、特に好きだなと感じたのはデイブキャットとジョゼフだった。
完全に余談、デイブキャットとシドレのtwitterが見たいと思い検索すると、すでにXに見切りをつけblueskyに移住していた。彼らが変わらず今を生きていることがよく現れていてちょっと笑ってしまった。お幸せに!