
長山
@Naga_book
2026年8月9日
お梅は呪いたい
藤崎翔
オーディオブックで聴いた
かつて武将すらも呪い殺した、いわくつきの呪いの人形・お梅が現代で復活し、いろいろな人の手に渡りながら、人々を呪い殺そうと画策する話。
シンプルに面白い。コメディというものをあまり読んでいないから、どういうものかと思ったけど、本当にちょくちょく笑える文章が入っている。読者が文章に突っ込みながら読むスタイルというか、実際にあるものを例に挙げたり、わかりやすいネタも豊富。
肝心の本編も、主要人物とお梅の二つの視点から語られていき、「あの時はこうだった」「この時はどうだろうか」と想像しながら話を追える。
お梅の呪いの力が、話を推し進める要素になっているのがとても良い。お梅自身は一貫して、「人を呪い殺したい」「バレたら壊されるので、バレないように呪わないといけない」という前提で四苦八苦しており、さらに現代知識とのずれもあるため、時代ギャップ(?)もある。
呪いの力は、負の感情を増幅する瘴気という恐ろしい能力だが、この時代ギャップのせいでなかなかうまくいかない。結果的に、主要人物たちはお梅のことを「幸せを呼ぶ人形」と言うようになってくる。
最後はどうまとめるのかなと思ったら、意外と全員がほんの少し幸せになっており、嫌な気持ちがほとんどない。いい作品だった。