
和月
@wanotsuki
2026年8月9日
ババヤガの夜
王谷晶
読み終わった
めちゃくちゃ面白かった!!
想定していた何倍も好き。しっかりダガー賞作品の持つミステリ要素も味わえて、文句なしの読書体験だった。
映像におけるヤクザもの、暴力性を主軸とするものはグロい画を観るのが苦手であまり観ないのだけど、文章を読み想像するのは平気で、むしろ本作はアクションとしての面白さを感じることが出来た。映像化はかなり難しそうだけど、この作品が映画等になったら観たいなと思う。
物語のスピード感が素晴らしく、ページをめくる手が止まらない作品だった。
別の人物に視点が切り替わると、没入感が途絶えてしまいがちだが、文脈に沿って主体を変える所が絶妙で、それ故に突き進んで読むことが出来た。後半で流れを変えてくる構成力も見事で、楽しい読書だ……!!と大興奮した。
著者のインタビューで、現代日本の女性を主軸にリアルな物語を書こうとした時、どうしたってミソジニーの要素は避けられない、という旨の話が印象に残っている。
新道と尚子は、対照的な人物像でありながら、圧倒的に男性優位な裏社会において「女」という記号で同等に侮られ、尊厳を軽んじられる。ふたりの世界が違っていれば、彼女達の関係性も大きく変わるだろう。男性と女性、加虐と被虐、それぞれの連帯を描いている作品としても非常に読み応えのある物語だった。
王谷晶さんの作品を今回初めて読んだので、過去作も読んでみようと思う。


