"ふたりの窓の外" 2025年3月3日

あ
@7DA852
2025年3月3日
ふたりの窓の外
浮気をされた藤間紗奈とのらりくらりと生きる鳴宮庄吾が葬式の火葬場で出会う。藤間が行く予定だった春のカップル旅行に藤間と鳴宮で行くことから始まる二人の関係。ただ、二人はただの友人というか、知人という距離感で、春、夏、秋、冬と過ごす。それもワンシーズンに1度会うだけ。ただ、季節が移ろいゆくのと共に、二人の互いに対しての気持ちも変化していた。別に、付き合いたいわけでも、彼氏彼女になりたいわけでもない。ただ触れたいだとか、目が離せないだとか。それに恋愛感情と名付けないだけで、互いに惹かれ合っていた。そんな移ろいが綺麗で、まさに「絵画のような」美しいお話だった。秋で鳴宮が藤間をそういう風に見ていると分かり、冬で藤間が鳴宮に対して思い切った行動をしたのが、とても衝撃的だった。春、夏がなんとなくな雰囲気だったからこそ、冬のラストシーンは読み応えがあった。小説でキュンキュンするなんてこと、あるんだ。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved