
糖
@inwatermelon_
2026年8月11日
注文の多い料理店
宮沢賢治
読み終わった
「注文の多い料理店」は、宮沢賢治による童話のタイトルであり、同作を含む9篇の作品を収めた童話集の名称でもある。
つぎに引用するのは、童話集の冒頭に掲げられた「序」。わたしのとても好きな文章。
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わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。
わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。
これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。
ほんとうに、かしわばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかったり、十一月の山の風のなかに、ふるえながら立ったりしますと、もうどうしてもこんな気がしてしかたないのです。ほんとうにもう、どうしてもこんなことがあるようでしかたないということを、わたくしはそのとおり書いたまでです。
ですから、これらのなかには、あなたのためになるところもあるでしょうし、ただそれっきりのところもあるでしょうが、わたくしには、そのみわけがよくつきません。なんのことだか、わけのわからないところもあるでしょうが、そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。
けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません。
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なんというか、大自然からめいいっぱい取り込んで蓄積された創作意欲が、体内でぐつぐつと煮えたぎり、作品として形になるやいなやの状態で勢いよくあふれだすような、危険性すら秘める圧倒的なエネルギー、切実さをひしひしと感じる。
これぞアーティストだよな、と思う。
なんで今更「注文の多い料理店」を読んだのか、というと、キューライス特装版を買ったからです。最高。


