
Old Sport
@scott_fitzgerald
2026年8月12日
闇の奥
ジョゼフ・コンラッド,
高見浩
読み終わった
⭐︎⭐︎⭐︎
この作品の面白さを理解できない自分が悔しい。アメリカ文学を研究していく身である以上、避けては通れない作品だと思い読んでみたはいいものの、良さが全くわからなかった。文章の難しさもさることながら、ストーリーにも面白さを見出せなかった。作中途中まで、名前のみ登場するが、謎の人物として描かれるという点において、クルツとギャツビーを比較しようと試みたが、クルツの魅力も、そもそもクルツがどういう人物なのかもよく掴めなかった。偉大な人物だとも、愚者とも称されているし、実際クルツが登場してからも、人物造形が自分の中でできなかった。いつかまた再読したら、この評価が変わるのだろうか。『地獄の黙示録』は本作を原案にして作られたようなので、いつか見てみようと思う。
闇の奥の最終場面について
マーロウはクルツの婚約者を訪れた時、最後の言葉を聞かせてほしいと切望され、貴方の名前でしたと嘘をついてしまう。マーロウは嘘をつくことを大嫌いだと言っていたのにも関わらず。
木村博是によると、文明社会で生きる人間には幻影や嘘が必要だと悟ったから嘘をついたのだという。クルツは闇の奥へ踏み込み、真実を見た。対してマーロウはその淵を覗いたが、最終的には文明社会へ戻った。マーロウは、闇の奥へ行き、真実を知った上で、人間は真実だけでは生きられない、文明社会を維持するためには、幻影や虚構が必要であると悟ったため、嘘(幻影、虚構)をついたのである。
あらすじ(wikiより)
ある日の夕暮、船乗りのチャールズ・マーロウ が、船上で仲間たちに若い頃の体験を語り始める。
マーロウは、各国を回った後、ロンドンに戻ってぶらぶらしていたが、いまだ訪れたことのないアフリカに行くことを思い立ち、親戚の伝手でベルギーの貿易会社に入社した。ちょうど船長の1人が現地人に殺され、欠員ができたためだった。マーロウは、船で出発し、30日以上かかってアフリカの出張所に着いた。そこでは、黒人が象牙を持ち込んで来ると、木綿やガラス玉などと交換していた。またマーロウは、鎖につながれた奴隷を見た。ここで10日ほど待つ間に、奥地にいるクルツという代理人の噂を聞く。クルツは、奥地から大量の象牙を送ってくる優秀な人物で、将来は会社の幹部になるだろうということだった。マーロウは、到着した隊商とともに、200マイル先の中央出張所を目指して出発し、ジャングルや草原、岩山などを通って、15日目に目的地に着いた。
中央出張所の支配人から、上流にいるクルツが病気らしいと聞いた。蒸気船が故障しており、修理まで空しく日を送る間に、再びクルツの噂を聞く。クルツは、象牙を乗せて奥地から中央出張所へ向かってきたが、荷物を助手に任せ、途中から1人だけ船で奥地に戻ってしまったという。マーロウは、本部の指示に背いて1人で奥地へ向かう孤独な白人の姿が目に浮かび、興味を抱いた。
ようやく蒸気船が直り、マーロウは支配人、使用人
4人(「巡礼」)、現地の船員とともに川(コンゴ川)を遡行していった。クルツの居場所に近づいたとき、突然矢が雨のように降り注いできた。銃で応戦していた舵手のもとへ長い槍が飛んできて、腹を刺された舵手はやがて死んだ。
奥地の出張所に着いてみると、25歳のロシア人青年がいた。青年は、クルツの崇拝者だった。青年から、クルツが現地人から神のように思われていたこと、手下を引き連れて象牙を略奪していたことなどを聞き出した。一行は、病気のクルツを担架で運び出し、船に乗せた。やがてクルツは、"The horror!
The horror!"という言葉を残して息絶えた
