
図書館マン
@tosyokan-man
2026年8月11日
![BRUTUS(ブルータス) 2025年 8月15日号 No.1036 [文芸ブルータス 2025夏] [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/41j4bw3Q5IL._SL500_.jpg)
読み終わった
購入本
去年の8月に買って積ん読してあった雑誌。今年8月になってから漸く手をつけました。
読み終わるのに10日近く費やして、980円で10日楽しめるなら、お手頃価格だなぁ~と思ってしまった。
ハンガンの小説目当てで買ったはずなのに、気がついたらハンガンの新刊が先に出てしまっていて。雑誌を購入した意味とは……と自分自身に問いながら読み進めていたけど、海外文学に触れられたのは良かったかも。
各章の感想は以下の通り
『pow(d)er』
自分の指の骨をボトルペンダントに入れて持ち歩くカメラマンの話。
飛び降りのニュースや、芸能界という世界。そうしたことを、自分の生き残った指と生き残れなかった指の運命と重ね合わせて、改めて自分自身や世界に自問するような小説だったかのように見えた。内向きな小説だけど、蒼夜という飄々なキャラクターと重ね合わせることで、憂いの雰囲気をまとわせるような小説だった。
著者は『ハンチバック』の印象が強く、文体もハンチバックと似通っているが、であるからこそ芸能界という角度から短編を書いているのを見て「こういう話も書くんだ」とは思った。
『一景』
書き出しから面白そうだな。とは思ったものの、三人称で語られる舞台の設定や文体、キャラクターのモノローグについていけず全体像が把握できなかった。ホームステイを機に出会った少年二人の話だということはなんとなく分かるが、それでも「どういう状況でこうなっているのか、こう考えているか」の部分をしょっちゅう図りかねてしまい、よく分からないな……で終わってしまった。
『昨日だった気がする』
今日という今日を認識できず「昨日だった気がする」という既視感を毎日抱える二人の男の話。今日を今日として受け止められないのは、常に生命の危機に晒されてるがゆえに進化した自己防衛的な機能なのだ……みたいな説を立てながら二人は会話を交わし、既視感について論証していく。もし本当に、「世界の終わりに対応するために、人間は不必要になった現実感を捨て去ろうとしている」のならば、これから来るものは世界の終わる戦争。昨日ではなく今日を生きるためには今日の戦争を今日のものとして見て、「今日のこととして世界の終わり」を見なければならないのだろう。この虚無感というか、現実感のなさの元ネタはいわゆる「平和ボケ」みたあたなことなのかな……と思った。
長くなるので、後の話は分けて書く!