
鈍獣
@whale_in_da_room
2026年8月12日

素晴らしいアメリカ野球 (新潮文庫)
フィリップ・ロス
読んでる
めちゃくちゃいい
“ ルースの記録を上まわったルークは、自分が打ったホームランを全部合わせた以上に深く彼女を愛したのだ! 「大好きよ」と喜びのあまり、美貌の衰えかけたアンジェラは、カッブにも許さなかったものをゴファノンにあたえた。
「それから、ルーク」と訊いたとき、行為は終わり、歓楽に二人ともぐったりとなり、しびれたようになっていた。「ルーク」と彼を責める好機に、彼女は尋ねた。「どうなの……あなたの三塁打は? どちらを深く愛しているの、あなたの三塁打と、あなたのアンジェラ・ホイットリング・トラストと?」
この質問をルークが考えこんでいるあいだ、彼女は神に祈った。どうかわたしでありますように。わたしは肉。わたしは血。わたしは必要です。欲しいのです。いつかはわたしも死ぬでしょう。ああ、ルーク、三塁打なんて人間じゃないわ——ものなのよ!
しかし、ものだったのだ。「嘘は言えないよ、アンジェラ」と一匹狼は言った。「あんなものはこの世に二つと存在しない」”

