素晴らしいアメリカ野球 (新潮文庫)

22件の記録
鈍獣@whale_in_da_room2026年8月12日読んでるめちゃくちゃいい “ ルースの記録を上まわったルークは、自分が打ったホームランを全部合わせた以上に深く彼女を愛したのだ! 「大好きよ」と喜びのあまり、美貌の衰えかけたアンジェラは、カッブにも許さなかったものをゴファノンにあたえた。 「それから、ルーク」と訊いたとき、行為は終わり、歓楽に二人ともぐったりとなり、しびれたようになっていた。「ルーク」と彼を責める好機に、彼女は尋ねた。「どうなの……あなたの三塁打は? どちらを深く愛しているの、あなたの三塁打と、あなたのアンジェラ・ホイットリング・トラストと?」 この質問をルークが考えこんでいるあいだ、彼女は神に祈った。どうかわたしでありますように。わたしは肉。わたしは血。わたしは必要です。欲しいのです。いつかはわたしも死ぬでしょう。ああ、ルーク、三塁打なんて人間じゃないわ——ものなのよ! しかし、ものだったのだ。「嘘は言えないよ、アンジェラ」と一匹狼は言った。「あんなものはこの世に二つと存在しない」”

鈍獣@whale_in_da_room2026年8月8日読んでる@ サイゼリヤ 京都河原町通店トラスト夫人の声明、ちょっと笑えないくらいに差別的で非常に有害なのだが、このレベルの言説がわりと現代においても耳に入ることが儘あるよなと思うと、本当になんともいえない気持ちになるね

鈍獣@whale_in_da_room2026年8月7日読んでるおもろすぎる “こうして、ぶっ殺しブッチャーズは——この年からそのように呼ばれるようになった——マンディーズ球団に対して二十二連勝をかざり、かくしてまた放浪のルパート球団を相手に新記録をつくった。アケルダマ・ターミネーター紙の見出しはその間の事情を簡潔に物語っている。 “マンディーズ吹っ飛ぶ” “マンディーズ降参” “マンディーズひとたまりもなし” “マンディーズ殺さる” “マンディーズ翻弄さる” “マンディーズ無残” “マンディーズ壊滅” “マンディーズ負けいくさ” “マンディーズ死体置場行き” “マンディーズ満身創痍” “マンディーズ埋没す” “マンディーズ泥沼の敗戦” “マンディーズ連敗街道ひた走り” “マンディーズ大敗” “マンディーズ自滅” “マンディーズどうしても勝てず” “マンディーズ情なし” “マンディーズひからびる” “マンディーズ虐殺さる” “マンディーズ破産” “マンディーズ手も足も出ず” ——そして、アケルダマのいわゆる〈肉塊打線〉が八回の裏に五連続ホームランを打って、この二球団のシーズンの最終試合が終ると—— “マンディーズ球団安楽死” ”


鈍獣@whale_in_da_room2026年8月2日読んでる@ 石臼挽き十割蕎麦 八 HACHI酷暑。食欲はないが蕎麦だけはめちゃくちゃ食べる “「ただ、するとどうなるんだ?」と老キッド・ヘケットはタオルで身体をふいた。「カクーラの球団がこのカクーラにいて、わしらがルーピットにいないか、さもなければ、シーズン中はずっとあそこにもどっているっていうのはどうかな? ニュージャージーに帰らないで、わしらがインデペンデンスに行き、それからリーグをまわって、またここに来る、そうやってぐるぐるまわって、百五十試合やったらどうだろう?」 「でも、どうだっていいさ、ウェイン」と言うニックネームは、生れてはじめて故郷をはなれた十四歳を持ち前の口の悪さでしっかりと押さえつけてきたビッグ・ジョンの口真似をするか、それともマンディーズ球団の裏切者を攻撃する他の選手に新人らしく味方するか、たえず悩んでいた。「おれたちがもどらなかったら、どうなのさ? とにかく、こっちにいたほうがはるかに面白いや。同じホテルに泊って、好きなときにハンバーガーを食ってさ——ロビーで女の子にウィンクしちゃって! ウェイトレスはみんな、ぴっちりした白いユニフォームを着て——いいなあ!」 「ニックネーム坊や、どっちにしても面白くないってことがやがておまえにもわかるだろうよ」とご老体が言った。「目がさめたら、自分がどこにいないかじゃなくて、どこにいるかがわかれば、混乱しないですむっていうだけのことさ」”
鈍獣@whale_in_da_room2026年7月25日読んでる@ 苗場高原オートキャンプ場GREEN STAGE後方に陣取りDonavon Frankenreiter聴きながら読んでると、俺だって『全能の神の存在』を強く意識しちゃうよ



鈍獣@whale_in_da_room2026年7月24日@ 苗場高原オートキャンプ場Royle Carner の最前待機中にも読んでいた “私は折にふれて思うことがある。諸君からも見える、私の机の上にかかった写真の偉人は、野球というゲームを発明したとき、自分のやろうとしていることを知っていた。また、それが幾何学的なダイヤモンドになったとき、その人はコペルニクスやアイザック・ニュートン卿と並ぶ天才になった。”
きろひ@wh_374202026年4月9日読んでる「それにしても、ファンの皆さん、われわれは何という人間だろう。そうだ、アで行こう。人間は諦めがいい。垢抜けしている。悪臭ふんぷん。あくが強い。あくどい。悪辣だ。あさはかで、あさましい。あたふたする。厚かましい。あっさりしている。あわれだ。甘い。圧迫されている。安心できない。カで行こう。快活だ、輝いている、過酷だ。がさつで、がつがつしている。カトリック教会的だ。神を信じている。がめつい。我慢がきかぬ。柄が悪い。がむしゃら。華麗。かろやか。監禁状態。感情的。癇癪持ち。感じやすい。寛大。サで行こう。策士。ざっぱく。寒々としている。さわがしい。さわやか。残忍で残酷。タで行こう。大胆。たのもしい。多産。耐久力がある。対抗意識旺盛。打算的。正しい。大それている。だめな。堕落している。ナで行こう。情ない。内省的。なげかわしい。なげやり。怠け者(…)」 といった具合の文章が出てきて面白い。これ一体どうやって英語から翻訳しているんだろう。遊び心に溢れた人間の定義でもあり、辞書を引きながら作った頭韻ジョークでもありそう。内容はアメリカの歴史の闇に葬られた第三の野球リーグをめぐる長大な話(妄想?)のようなのだが、それにとことん付き合ってもいいし、たとえば次のページをめくって全然別の話になっていてもそれはそれで構わないと読者に思わせるだけの妙な牽引力がある。リズミカルな文章には意味も分からずついていくことができてしまう。筒井康隆や高橋源一郎のハチャメチャな小説が好きな人には入っていきやすい世界かもしれないけど、そうでない層にも恐る恐るお薦めしてみたい。残り500ページぐらいある。

きろひ@wh_374202026年3月21日読み始めた小説というよりは、言葉の洪水、文字の奔流、インクの無駄遣い、作家の悪ふざけ、と言いたくなるような序盤。読む側の精神状態によって、楽しめたり、無意味に感じたり、変に意味を見出したりしてしまうだろう。とにかく読み進めてみる。










