
加非
@chioneko
2026年8月12日
そして誰かがいなくなる
下村敦史
読み終わった
超大御所覆面作家の新築発表会に集められた作家陣、編集者、評論家、そして名探偵。
いかにも事件が起きそうな館で、覆面作家はとある作品の盗作を告発すると言い出して……。
本作の作者が実際に建てた館を舞台としたフィクションとノンフィクションの境で起こる超リアリティミステリー。
一言だけ言いたい。館外観、内観、家具類の描写が詳細過ぎる!!!!!!
あらすじにもあるように実際に建てられた館を舞台としているわけだから、描写が詳細になるのは分かる。分かるけれど、それでも冗長と感じてしまう。
ただそれが不快かと言うと、自分の心が2つある状態で、本当にこの館は存在するのだという実感が増していき本作がフィクションの世界から一歩現実に寄ってきているかのような不思議とワクワクする感覚もある。これこそ、実在する館であるからこその面白さであり旨味であるとも感じる。
作品の内容に関しては、タイトルの通り名作の香りを仄かにさせながらも、怪しげな館の主、ミステリー小説家と盗作疑惑、名探偵という要素が更に興味を掻き立てる。
なるほど、その要素をこう使うのか!と驚きもありつつ、やはりこれが現実の館で再現可能なのだというワクワクが最後まで続く非常に面白い作品だった。
一点だけ残念なのが、本作の舞台となった館が、TV番組で取り上げられていたことだろうか。
その番組を先に見てしまうと、館に施されたいくつかの仕掛けを先に知ってしまうことになる。
本作を読む場合はその番組を避け、機会があれば後に見ることをオススメする。
なお、私は先に見てしまっていた……。
