
shino
@wanwan-01
2026年8月12日

小さいおうち
中島京子
読み終わった
初読
@ 鎌倉市
戦争に突き進んだ時代であっても、その時代の中で、かけがえのない時間を過ごした人たちはいる。
女中のタキちゃんは、腕と誇りを持ちながら平井家に献身的に奉公する。少ない食材で素敵なご飯を作ったり(これがなんとも美味しそうでワクワクする!)、魚屋さんや米屋さんとの心のこもった、だけとさっぱりした付き合い方をしたりと、彼女の日々の仕事の描写は、読みながら心がふっと落ち着く感覚を抱かせる。
戦争という大きな渦の中でも、市井に生きる人々の日常はあった。それでも、その日常は少しずつ侵食され壊されていく。
「あの時代は誰もが、なにかしら不本意な選択を強いられた」「それが不本意だったことすら、長い時間を経なければわからない」という最終章の言葉は、タキちゃんの心の痛みを言い表しているような気がした。